近年、「ととのう」を中心としたワードでサウナブームが到来しています。そんな中で、2021年の春~夏あたりから徐々に注目され始めているのがテントサウナ。
テントサウナは、
・コアなファンが多い
・人込みを避けてサウナを楽しむことができる
・アクティビティとしても楽しみながらサウナでととのうことができる
などという点が魅力で人気を集めています。
ですが、昨年からテントサウナが禁止になるキャンプ場が出てくるなど徐々に規制の動きが見受けられるようになりました。
テントサウナが禁止になる背景とはいったい何だったのでしょうか。
今回はテントサウナが禁止になった施設とその理由をまとめていきながら、テントサウナを利用するうえで気を付けるポイントをチェックリスト式で紹介します。
また、安全性・危険性についても吟味したうえで今後テントサウナはどうなっていくのかを徹底的に考えていきます!
本記事の内容
- テントサウナが禁止になったキャンプ場とその理由を解説。
- テントサウナが原因で発生した事故を調べました。
- 今後、テントサウナは禁止になっていくのか?
結論からまとめると、テントサウナ自体の安全性は問題ないものの利用者のマナーや楽しみ方によって禁止になる場所が増えると考えます。
テントサウナが禁止になったキャンプ場とその理由
テントサウナが禁止になったキャンプ場
現在、公式でテントサウナが禁止になっているキャンプ場は主に2つです。
川井キャンプ場(東京)
奥多摩にある「川井キャンプ場」は、東京などの関東圏にお住まいの方々にとって電車でいけるテントサウナの利用が可能なキャンプ場として注目を集めていましたが2021年の秋ごろテントサウナが禁止になりました。
テントサウナが禁止になった背景としては、「テントサウナの利用は公衆浴場法に基づく許可が必要になる場合があるため禁止にする。」といったものでした。
キャンプ場内でのテントサウナ利用禁止について。 昨今話題の「テントサウナ」でのご利用のお客様が増えております。 公衆浴場法に基づく許可が必要になる場合がございますので テントサウナでのご利用は今後、禁止とさせていただきます。 またご使用になられてるお客様を確認次第、撤収をして 頂きますので併せてご了承戴きます様お願い致します。
川井キャンプ場ホームページ
八風キャンプ場(三重)
三重県にある八風キャンプ場では、主に安全対策やマナーの観点からテントサウナの利用が禁止になってしまいました。
テントサウナのご利用について、安全対策やマナーの問題から、八風キャンプ場では利用を禁止とさせていただきます。
昨今のテントサウナブームにより、ご利用の増えたテントサウナですが、
※ 火事やヤケドの可能性
※ 強風によりテントが飛ばされる事による事故の可能性
※ 明るさが確保できない夜間での利用がある
※ 大声等により周囲に迷惑をかける
※ 施設の上限を超えての、人の集合に繋がってしまうなどの事情により、この度当キャンプ場では、テントサウナご利用は禁止とさせて頂く事になりました。
ご理解とご協力の程よろしくお願い致します。
キャンプ場からのお知らせ:八風キャンプ場
テントサウナは通常のサウナよりもアクティビティ要素が強く、それだけサウナ初心者の方や非日常の中で羽目を外して騒いでしまう方がいらっしゃる場合があります。
サウナ初心者の方に向けては、ガイドラインを設けしっかりと安全性とマナーを伝える。
個々人の意識の問題として、周りにも通常のお客様がいるという認識、周りへの配慮が必要になってきますね。
テントサウナが禁止になった理由
テントサウナが禁止になったキャンプ場の例として上記では2つ上げましたが、その理由は「公衆浴場の許可が必要になる場合がある。」というものと、「テントサウナを利用する方の安全性とマナーが問題だった」という法律の問題と利用者側の2軸に分かれています。
テントサウナ利用者のマナーが問題でテントサウナが禁止になってしまうというのは残念ですが、法律の観点から問題になってしまうと仕方ない反面、もし法律上そもそも問題があるならテントサウナ自体が利用できなくなるのではないでしょうか。
テントサウナでの事故について
記事の最後では、この公衆浴場法が本当にテントサウナの利用に引っかかってしまうのかを考えていきます。
テントサウナの利用者の死亡事故など大きな事故は過去に起こってしまった事例はあるのでしょうか。
具体的に調べてみましたがそのような事故は見つけられませんでしたので発生していないという認識で大丈夫です。
テントサウナでのやけど事故は発生しやすい
しかし、テントサウナ禁止の規制の流れがありつつある要因として、事故が起きかけているというものがあります。
テントサウナの中は狭く身動きも取りにくいため、サウナストーンに腕が当たってしまったり、ロウリュのやりすぎで室内の温度が上がりすぎてやけどをしてしまったというSNSの投稿や周りのサウナーからの声を時々聞きます。
この点において、テントサウナでの大事故は発生していないためテントサウナは最低限の安全性はあるものの、注意していないとうっかりやけどしてしまうこともあるので通常のキャンプでの火起こしみたく安全には気をつけながら意識しながら丁寧に楽しみましょう。
テントサウナ利用で気を付けるべき点やマナー
テントサウナを楽しむために、最低限のアウトドア知識は必須です。
通常のキャンプ同様、テントサウナでも火を使うため油断していると大きな事故が発生してしまうかもしれないためです。
ここではテントサウナを楽しむために「安全対策」と「キャンプマナー」を、チェックリスト式でまとめてご紹介します。
テントサウナ安全チェックリスト
<天候判断>
・強風時は絶対に使用しないようにしよう。風速5m以上の予報の日は非常に危険!
・大雨の前後は水辺の氾濫に注意が必要、無理な実施はやめよう
・天気が急に悪化した場合は、速やかに冷却して使用をやめよう
<テント&ストーブ設営>
・テント設営や火器使用が禁じられている場所では絶対に行わないようにしよう
・テントは増水による影響のない、できるだけ平らな場所に張ろう
・最低でも周囲3m以内に燃えやすいものがないか確認しよう。他のテントとは離そう
・ロープは必要箇所すべてにペグ等でしっかりと固定し、緩みがないか定期的に確認しよう
・吸気口がある場合は必ず開けて使用しよう
・ストーブはサウナストーンの積みすぎに注意して、落下する恐れがないか確認しよう
・ストーブから煙突がまっすぐ伸びているか、傾きがないか確認して設置しよう
・万が一の火災に備え、水を張ったバケツや消化器などを用意しておこう
・ストーンは必ずサウナ専用のものを使おう。河原の石は熱で爆ぜる危険性があるので危険です
<ストーブ火入れ、換気>
・ストーブに火入れする前に破損箇所がないか、煙突の連結に緩みがないか確認しよう
・吸気メッシュは必ず開け、雪や岩などでふさがっていないか必ず確認しよう
・ガス、または可燃性物質を使用してストーブに火入れするのは危険なのでやめよう
・よく乾燥した薪以外のものを燃料として使用するのはやめよう
・薪ストーブに火を入れた後は、必ず耐熱手袋を着用して作業しよう
・一酸化炭素チェッカーは必ず携行して設置しよう
・薪ストーブの燃焼が弱まり、煙が逆流したら速やかに換気しよう
・熾火の状態のまま中に滞在するのは一酸化炭素中毒の危険性が高いと知ろう
・アロマオイル原液を直接ストーブにかけると、油分で炎が上がる危険があると知ろう
・テントに定員以上入ると、出入りの際に火傷の危険性が増すのでやめよう
<サウナ>
・高血圧、心臓疾患、妊娠中、その他医師に禁止されている人はサウナ利用を控えよう
・水分を必ず補給して、脱水症状や熱中症にならないよう注意しよう
・サウナ内にメガネやアクセサリーを持ち込むと高温になるので外して入ろう
・サウナ内に可燃性の物を持ち込まないようにしよう
<水風呂、その他>
・飲酒後や子どもだけでのテントサウナ使用、川や湖への入水は絶対に止めよう
・川などの水に入るときは流れ、深さなど、周囲の安全を確認して入ろう
・冬場は寒さで身体が動きにくくなるため、一層注意しよう
・日没後に川、湖、海などに入るのは危険なのでやめよう
・子どもだけで川や湖に入らないよう指導と監視を徹底しよう
テントサウナのマナーチェック
・テントサウナができる場所かどうか事前に確認しよう
・大声で騒いで周囲に迷惑をかけることは絶対にやめよう
・キャンプ場のルールに従い、消灯時間を守ろう
・煙が出て迷惑がかかる場所は避けよう
・混雑の激しい時期は避けよう。子どもたちの水あそびを優先しよう
・釣りを楽しむ人がいる場合、邪魔にならないか配慮しよう
・薪の燃えかすや灰はバケツに移し、所定の場所に捨てるか、鎮火して持ち帰ろう
・ゴミを残すのは絶対にやめよう、来た時よりも綺麗にして帰ろう
サウナキャンプさんより引用
今後テントサウナは禁止されていくのか?問題点と一緒に考える。
今後、テントサウナは禁止されていくのでしょうか。現在の安全面や法律の観点から規制の可能性について考えてみましょう。
法律で禁止されることはある?
まず、テントサウナが禁止になるうえで考えていかなければならないのは法律面です。
川井キャンプ場では、「公衆浴場の許可が必要になる場合がある。」との理由でテントサウナが禁止になってしまいましたが、筆者の意見としてはテントサウナをサウナアクティビティ目的で楽しむ場合や、テントサウナをレンタルする場合は法律には引っかからずに利用できるかと考えています。
公衆浴場法の定義に当てはまる形として、温湯、潮湯又は温泉その他を使用して、公衆を入浴させる施設や、保養・休養を目的としたヘルスセンター・健康ランド型のもの、ゴルフ場やアスレチックジム等スポーツ施設に併設されるもの、工場等に設けられた福利厚生のための浴場、サウナ、蒸気・熱気等を利用したもの、個室付き公衆浴場、移動入浴車、エステティックサロンの泥風呂等(よもぎ蒸し、ハーブテント)が定義に当てはまります。
この定義に当てはまる場合は各都道府県に営業許可の認可をうける必要があります。
しかし、この定義は公衆浴場を経営しようとする者が当てはまるため利用者側は関係ありません。
そのためレンタルタイプのテントサウナなどを個人で持ち込む形は問題にはならないと考えます。
今後はテントサウナを禁止にするキャンプ場とそうでない場で二極化する
とはいえ、テントサウナを取り巻く環境の制度化が進んでいないのは事実です。
なぜなら、テントサウナはここ1年で急激に人気になり始めたため、キャンプ場の運営側からは認知されていない場合や環境を整備する組織がいないためです。
そのため、今はある程度自由にテントサウナを楽しめているキャンプ場では今後NGになるところが、逆にテントサウナを楽しめる専用施設が生まれたりなど二極化するのではないでしょうか。
現在、テントサウナが禁止になっているのキャンプ場の理由は主に、利用者のマナーや安全面での問題からです。
マナーは利用者一人一人が、安全性はしっかりとルールを守って楽しみながら啓蒙していくこと、事故を引き起こさないことが重要となってきます。
キャンプ場は元々、BBQなどで火を使うところなのでテントサウナも使い方を間違わなければ禁止されることも減るでしょう。
また、個々人がテントサウナを持ち込む楽しむ形式は禁止になってしまう場所も出てきてしまうかもしれませんがすでにテントサウナが常設されている施設は安全性が担保されているため今後も楽しめると思います!
関東と関西のテントサウナ常設のおすすめ施設をまとめたのでぜひ参考にしてみてください!