薪サウナストーブにおすすめの薪はコレ!最適な木材の種類と選び方のすべて
- 2025年3月5日

薪サウナストーブでは薪の種類によってサウナの体感温度や燃焼効率が大きく変わります。
薪ストーブを使おうとして「火がつかない」「温まりが足りない」といった経験がある方もいるのではないでしょうか。
この記事では、薪サウナストーブやテントサウナも多く扱い計1,000商品以上のサウナ関連グッズを販売する『テントサウナの専門商社』が、サウナストーブに最適な木材の選び方を、初心者でも分かりやすく解説します。
目次
【結論】着火には針葉樹、火の維持には広葉樹!乾燥度も重視
薪ストーブでの理想的な燃焼には、針葉樹と広葉樹をうまく使い分けることが重要です。
針葉樹は軽く燃焼しやすいため、着火材として優れています。
一方で広葉樹は、密度が高くゆっくりと燃え続けるので、火を維持するのに最適です。
したがって、火を起こす際には針葉樹、火を長時間維持するためには広葉樹を選ぶのが良いでしょう。
また、乾燥している薪を使うことも非常に重要です。
十分に乾燥していない薪は燃焼効率が悪く、煙や不完全燃焼の原因となります。
針葉樹の特徴
針葉樹には松、スギ、ヒノキ、モミ、トウヒなどがあり、以下の特徴を持ちます。
◎軽く油分が多いため、着火しやすい。
◎広葉樹に比べて手に入りやすく、価格も低め。
×燃焼時間は短く、頻繁に追加が必要。
×燃焼時に煙が出やすく、クレオソート(煙道に付着するタール成分)が蓄積しやすい。
広葉樹の特徴
広葉樹にはクヌギ、ナラ、オーク、ケヤキ、アッシュ、ビーチ、バーチなどが含まれ、以下の特長があります。
◎密度が高いためゆっくりと燃え、頻繁な追加が不要。
◎高温を長く維持できるため、サウナストーブに最適。
◎針葉樹に比べて煙が少なく、クレオソートの蓄積も少ない。
×針葉樹よりも入手が難しく、価格が高め。
広葉樹と針葉樹の見分け方
広葉樹の薪は針葉樹に比べて樹皮がしっかりしており、見た目が美しいことが特徴です。

また、広葉樹の薪は密度が高く重量が重いことが多いので、手に持った感触で見分けることができます。
薪割りの際も、広葉樹の方が硬く、割りにくいという特徴があります。
薪サウナストーブに使える木材の種類・値段一覧
バーチ(カバ・シラカバ)![]() | オーク(カシ)![]() | ビーチ(ブナ)![]() | リンゴ![]() | |
分類 | 広葉樹 | 広葉樹 | 広葉樹 | 広葉樹 |
価格(目安) | 220円/kg | 160円/kg | 150円/kg | 210円/kg |
手に入りやすさ | ◎ | ◎ | ◎ | △ |
火の持続性 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
火の付きやすさ | ◎ | △ | △ | △ |
割りやすさ | やや難 | 難 | 楽 | やや難 |
一般的に、バーチ(カバ・シラカバ)やオーク(カシ)、ビーチ(ブナ)などの薪は、日本国内でも手に入りやすく、特に薪ストーブを使用するユーザーに人気です。
リンゴはやや手に入りにくいですが、ネットショップなどで探すことができます。
以下で、各材の種類とその特徴・メリット・デメリットをまとめます。
バーチ(カバ・シラカバ)


バーチは香りが良いためリラックス効果も高い薪です。
本場フィンランドでは、シラカバの葉がサウナで行われるウィスキングと言うリラクゼーションに使われることから、シラカバの香りは非常にサウナと相性がいいです。

また、着火しやすく燃焼速度が速いため、サウナを素早く温めたいときに最適です。
【メリット】
・早く燃えるため、短時間でサウナ内の温度を上げることができる。
・心地よい香りが楽しめる。
【デメリット】
・燃焼時間が短いため、熱を保つには他の木材と組み合わせる必要がある。
\こんな人におすすめ/
・短時間でサウナを温めたい方。
・薪の香りを楽しみたい方。
オーク(カシ)


オークは密度が高く長時間燃焼し、持続的な高い熱を発生します。
燃焼効率が良く、熱を安定して供給するため、サウナストーブに最適です。
【メリット】
・長く燃えるため、頻繁に薪を追加する手間が少なく、コストパフォーマンスが良い。
・安定した高温を維持できる。
【デメリット】
・乾燥に時間がかかり、通常2年ほど自然乾燥させる必要がある。
\こんな人におすすめ/
・長時間の使用を考えている人。
・薪の補充を頻繁にしたくない人。
ビーチ(ブナ)


ビーチは燃焼時に熱を安定して供給し、煙が少なく、燃焼効率が高い木材です。
割りやすいこともあり、初心者でも扱いやすいことも特徴。
【メリット】
・少ない煙で安定した燃焼が可能。
・火が早くつき、持続的に高温を維持。
【デメリット】
・適切に乾燥させないと燃焼効率が落ちる。
\こんな人におすすめ/
・煙が少ない薪を探している方。
・短時間で安定した火力が欲しい方。
リンゴ


リンゴの木はゆっくりと燃焼し、甘い香りを放つのが特徴です。
その香りから、海外では特別な日にリンゴの薪を灯す文化もあるそうです。
短い乾燥期間で使えることが多く、サウナに使用するとリラックス効果もあります。
【メリット】
・リンゴの香りがサウナ内に広がり、リラックス効果を高める。
・比較的短い乾燥期間で使用できる。
【デメリット】
・供給量が少なく、他の広葉樹よりも手に入れにくい。
\こんな人におすすめ/
・甘い香りを楽しみたい方。
・短い乾燥期間で使える薪を探している方。
薪サウナストーブには乾燥した薪を選ぶことが大切
薪サウナストーブの効率的な燃焼には、乾燥した薪を使うことが必須です。
乾燥した薪を選ぶ理由は以下の2つです。
- 燃焼時間が短くならないようにするため
- 高品質な火力を保つため
湿った薪は燃焼効率が悪く、煙が多く出るため、ストーブの内部や煙突に「クレオソート」というタール状の物質が溜まり、清掃の頻度が増えます。
また、湿気を含んだ薪は火力が弱く、サウナの温度も安定しにくくなります。
薪の乾燥は、薪割りをして風通しの良い場所で保管することで促進されます。
薪は、理想としては2年間以上、少なくとも1年以上乾燥させる必要があります。
適切に乾燥させた薪を使うことで、煙や煤が少なく、安定した高温が維持できます。
乾燥した薪の見分け方
ホームセンターなどで薪を購入する際、薪が乾燥しているかどうかは以下の4つのポイントで見分けられます。
- 【軽さ】湿った薪は重く、乾燥した薪は軽く感じる。
- 【ひび割れ】表面に自然なひび割れが入っている。
- 【音】叩くと乾いた高い音がする。
- 【水分含有量】理想は20%以下が推奨される。
水分含有量については、ホームセンターやECサイトで商品説明に記載されている場合があります。
ネットで購入するため、薪に直接触れないという場合は、実際に使ってみた人のレビューを参考にするとよいでしょう。
薪サウナストーブに使う薪のサイズ

薪のサイズも、サウナストーブの燃焼効率に大きな影響を与えます。
太すぎたり長すぎる薪は、ストーブ内でうまく燃焼せず、空気の流れを阻害し不完全燃焼を引き起こす可能性があります。
一般的には、太さは腕の太さ程度、長さは35cmが適しており、これを基準に薪を選びましょう。
市販の薪は、20cm~50cm程度の長さが一般的ですが、ストーブや使用する場所に合わせて適切なサイズを選ぶことも大切です。
特に、テント内で薪ストーブを使用する場合、大きすぎる薪はスペースを圧迫し、危険を伴うこともあるため注意してください。
切らなくても薪ストーブの燃焼室のサイズに入る長さの薪を選ぶと、使用・管理ともに楽ですよ。
薪サウナストーブに使える薪が買える場所
薪サウナストーブに使える薪は、以下のような場所で購入可能です。
- ホームセンター
- アウトドア、キャンプ用品店
- 薪ストーブ専門店
- Amazon、楽天市場、Yahooショッピング
- 地域の林業者や薪販売業者
- キャンプ場やアウトドア施設
- 薪配達サービス
薪が販売されている大手ホームセンター一覧
薪が買える大手ホームセンターは、以下の通りです。
多くのホームセンターが、通販サイトでも薪を販売しています。
ホームセンター | 販売する薪の種類 | 価格(税込) | 通販サイト |
コメリ | 樹種不明だが、ストーブにも最適な 広葉樹の薪あり。 | 1束698円~ | 公式サイト |
カインズホーム | アカシア(広葉樹)など。針葉樹もあり。 | 1束598円~ | 公式サイト |
コーナン | ヒノキ(針葉樹) クヌギ、ナラ、シイがランダムに入ったセットなど。 | 1束657円~ | 公式サイト |
ジョイフル本田 | ナラ・クヌギ(広葉樹)が入ったセットなど。 | 1束968円~ | 公式サイト |
DCM(旧ケーヨーデイツー) | サクラ(広葉樹) ナラ(広葉樹) アカシア(広葉樹) ナラ・クヌギ(広葉樹)のミックス 杉(針葉樹)など。 | 1束767円~ | 公式サイト |
ビバホーム | 針葉樹のミックス 杉(針葉樹)など。 | 1束723円~ | なし。 店舗での取り扱い商品は 公式サイトで確認可能。 |
※情報や取り扱い商品は変更になる場合があります。
サウナ用の薪の保管方法
薪を保管する際は、乾燥を保つことが最重要です。
屋外に保管する場合、風通しの良い場所に保管し、薪は地面から少し浮かせた位置に置くのが理想的です。
専用の薪ホルダ―を使うと、管理しやすいですよ。

雨を防ぐため、片側を開けて覆いを設置する方法も有効です。
湿気がこもらないように工夫し、薪が常に乾燥した状態で保てるようにしましょう。
屋内で保管する際にも、通気性の良い場所で保管してください。
薪サウナストーブの火の付け方

サウナストーブを効果的に使うための火の付け方の手順をご紹介します。
- 適量の灰を残しておく
- 薪を組む
- 着火材を使用
- 広葉樹を追加通気口の調整
①適量の灰を残しておく
前回薪ストーブを使った際に燃え尽きた灰は、炉内に2〜3cmほどの灰を残しておくと、保温効果があり火が長持ちします。
②薪を組む
焚火のように三角形または井桁(いげた)状に薪を組むと、効率よく空気が流れ火がつきやすくなります。
中央には細く割った薪をスターターとして配置しましょう。


③着火材を使用
着火時は、針葉樹が非常に燃えやすいです。
初心者は、ガスバーナーやストーブで使える着火剤を使うと簡単ですよ。

煙突が適切に機能していれば、すぐに火がつきます。
④広葉樹を追加
最初の火がついたら、徐々に広葉樹を追加して燃焼を維持します。
広葉樹は長時間燃えるため、火力の持続に役立ちます。
⑤通気口の調整
火力をコントロールするために薪ストーブの通気口を適切に調整し、薪の量を加減して理想的な火力を維持しましょう。
薪サウナストーブは大体15分に1度、薪を追加する必要があります。
薪サウナストーブの薪についてよくあるQ&A
最後に、薪サウナストーブの薪についてよくある質問3つにお答えしていきます。
- Q1.テントサウナにおすすめの薪の種類は?
- Q2.サウナ用の薪として必要な量は?どれくらい用意すべき?
- Q3.燃え尽きた灰の処理方法は?
Q1.テントサウナにおすすめの薪の種類は?

テントサウナには、燃焼が早くて軽い針葉樹がおすすめです。
針葉樹は素早く燃えるため、短時間で温度を上げることができ、テントサウナの小さなスペースでも扱いやすいです。
ただし、長時間サウナを楽しむ場合には、持続的な高温を維持するために広葉樹を追加するのが良いでしょう。
Q2.サウナ用の薪として必要な量は?どれくらい用意すべき?
サウナ用の薪の必要量は、使用する時間やサウナのサイズにもよりますが、1時間あたり約1〜2kgの薪が目安です。
サウナの頻度や季節によっても異なります。
一般的には夏季には2束以上、冬季には3束以上用意しておくと安心です。

カインズホーム公式サイトより引用
薪は想定より早く燃え尽きることがあるため、少し余裕を持って準備しておくことをおすすめします。
Q3.燃え尽きた灰の処理方法は?
灰は十分に冷めてから専用の火消し袋や金属製の容器に保管し、安全に処理しましょう。
適切な場所で廃棄するか、灰が冷めた後に庭などに撒くことも可能です。
もし家庭用のゴミとして廃棄する場合は、地域の廃棄物処理ルールに従ってください。
一般的に灰は可燃ごみとして捨てられますが、一部自治体では不燃ごみとして扱われるケースもあります。
まとめ|迷ったら乾燥した広葉樹を選ぼう
薪サウナストーブに最適な薪を選ぶ際、針葉樹は火が付きやすく、広葉樹は長時間燃えてくれるという特徴をうまく活用することがポイントです。
乾燥した薪を使うことで、燃焼効率を高め、より安全で効果的なサウナ体験が得られますよ。
また、薪ストーブによっても出力や燃焼効率は変わってきます。
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参考文献
Sauna Builder ~DIYでサウナを作る本~(ドゥーパ! 編集部)
The Best Type of Wood to Use for Your Wood-Burning Sauna Heater
BEST TYPES OF LOGS FOR WOOD BURNING STOVES
The Best Wood for Your Wood-Burning Sauna Stove: A Guide by PortaSauna
薪のお店木rara
薪について FIRESIDE
薪の特性一覧 株式会社ホンマ製作所