サウナのうつ病や不安障害への効果を解説|メンタルや精神安定に役立つ研究をもとに解説
- 2025年2月26日

この記事を書いている私自身、身近な人がうつ症状や不安障害に悩む姿を見て、どう助ければいいのか分からず胸が締め付けられる思いをしたことがあります。
また、自分自身が気分が落ち込んだとき、サウナに行ったら心が軽くなり、モヤが晴れ頭が冴えるような感覚を味わった経験もあります。
この記事を読んでくださっている方の中には、
「この心の重さから少しでも解放されたい」
「家族や大切な人のために何かしたい」
と思っている方もいるかもしれません。
そんな方に向けて、サウナが心のケアにどう役立つのか、その効果や実際の研究をもとに、分かりやすくお伝えします。
最後まで読んでいただければ、サウナがあなたや大切な人の心を癒すきっかけになるかもしれません。ぜひご覧ください!
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目次
サウナで精神やメンタルが安定するって本当?

サウナは、科学的にメンタル安定効果が期待できると言われています。
- ストレスホルモンの低下:サウナ後にコルチゾールが減少し、ストレスが軽減。
- 幸福ホルモンの分泌:温熱効果でエンドルフィンが増え、心地よさや幸福感を感じられる。
- 自律神経のバランス調整:サウナ→水風呂→外気浴の流れで、自律神経が整い、リラックスモードへ。
- 睡眠の質向上:深い睡眠を促し、心の回復をサポート。
- マインドフルネス効果:サウナ内では「今」に集中し、不安や思考がリセットされる。
これらの効果により、サウナは精神やメンタルの安定に役立つとされています。
サウナのうつ病や不安障害に対する効果
サウナは、ストレスホルモンの低下や自律神経の調整を通じて、うつ病や不安障害の軽減に役立つ可能性があるとされています。
以下では、具体的な効果を根拠となる研究と合わせて見ていきましょう。
うつ病への効果
サウナは、うつ病の症状改善に効果があることが研究で示されています。
サウナの温熱効果による自律神経の調整や、幸福ホルモンであるエンドルフィンの分泌が気分を前向きにし、心のバランスを整えると考えられています。
2013年2月~2015年にアメリカのアリゾナ州で行われた研究では、1回の全身高温療法(サウナに類似する治療法)が、最大6週間にわたりうつ症状を軽減する可能性があると確認されました。
不安障害への効果
サウナに入るとストレスホルモンであるコルチゾールの減少や、温冷交代浴によってリラックスすることで、不安感を軽減し、心に落ち着きをもたらすとされています。
研究では、サウナ習慣が抑うつ症状の改善や仕事によるストレスの軽減に効果的であると示されています。
また、2021年に日本で実施された研究でも、サウナ後のコルチゾール値低下が不安解消につながることが明らかになっています。
メンタルヘルス全般への効果
サウナは、精神の安定にとどまらず、認知機能の向上や精神疾患リスクの低減にも寄与します。
2018年に発表されたフィンランドの研究では、週4回以上のサウナ利用が精神疾患の発症リスクを大幅に低下させると報告されました。
さらに、2021年の日本の研究での研究によれば、サウナ後にストレスホルモンが減少し、発想力や柔軟な考え方が向上することが確認されています。
サウナの作用メカニズム
サウナの効果の鍵は、
- 幸福感を高めるエンドルフィン、セロトニンの分泌
- 自律神経の調整
- 炎症や酸化ストレスの軽減
にあります。
これらが相まって、サウナは心身をリセットし、メンタルヘルスを総合的にサポートする頼れる存在と言えるでしょう。
関連記事:花粉症にサウナが効果的?サウナで花粉症対策をする方法と注意点【逆に悪化するケースも?!】
落ち込んでいる方にサウナをおすすめしたい理由

サウナには心を癒し、生活を前向きに変える力があります。
ここからは、私自身がサウナに通い始めて実感した効果と関連する研究を、いくつかの観点からご紹介します。
外出するきっかけになる
家にこもりがちな日々を断ち切るには、サウナがぴったりです。
サウナは新たな楽しみとなって、外出のきっかけを作りだしてくれます。
日々の楽しみが増える
サウナはただのリラクゼーションではなく、新たな楽しみを提供してくれます。
「ととのい」の爽快感やリフレッシュ感が日常の中でのポジティブな体験となり、心の支えになることもあります。
2021年の日本の研究「サウナ浴が抑うつ・ストレスに及ぼす影響について」でも、サウナが生活の質を向上させる効果があると報告されています。
趣味としてのサウナは、嫌な考えや記憶を忘れる時間となり、心を軽くして日々をもっと楽しく過ごすために役立つでしょう。
心身ともに癒される
精神的に辛いときは、自分をケアする・癒すという体験が必要です。
そんなときは外に出るのも辛いと思いますが、銭湯やサウナについたら何も考えずに温まるだけでOK。
サウナに行けばきっと「辛かったけど来てよかった!」と思えるはずです。
前述した2021年の日本の研究では、サウナ浴後にストレスホルモンのコルチゾールが低下し、主観的なストレス感が減少することが示されています。
また、2013年2月~2015年5月にアメリカのアリゾナ州で行われた研究では、サウナの温熱効果がうつ症状を短期間で軽減する可能性を示唆しています。
食欲増進効果が期待できる
サウナには、食欲を整える効果が期待されています。
特に、軽度のうつ病患者を対象にした研究では、温熱療法を4週間続けることで、食欲不振や身体的不調が改善され、食事量や血中グレリン濃度が増加したとの報告があります。
また、サウナ後の食事「サ飯」は、感覚が研ぎ澄まされることで普段よりおいしく感じられるのも魅力の一つ。
逆に、ストレスで過食気味の方にとっても、サウナは気持ちを落ち着け、食欲を適度に整える助けになるかもしれません。
私自身も、サウナに入ることで食欲が自然に調整される感覚を実感しています。
食欲の波にお悩みの方は、ぜひ一度サウナを試してみてください。
マインドフルネス効果で前向きになれる

うつ病は過去や現在の絶望感、不安障害は未来への心配や恐怖がおもな症状とされています。
これらの症状を和らげる方法として注目されているのが「マインドフルネス瞑想」です。
マインドフルネス瞑想とは、「今この瞬間」に意識を集中させるメソッド。サウナは、まさにその効果を自然に引き出してくれる環境です。
温かさや汗を感じながら過ごすサウナの時間は、余計な考え事から解放され、不安や絶望感を和らげるのに役立ちます。
2021年の日本の研究でも、サウナが「思考」から「感覚」への切り替えを助け、心を軽くする効果を持つことが確認されています。
家で瞑想を試して嫌な気持ちや過去の記憶、未来への不安が呼び起こされてしまう方も、サウナなら静かで温かい環境の中、リラックスしながら気持ちよく過ごせるはずです。
サウナ瞑想の方法や詳しい効果については、サウナで瞑想で効果倍増!心と体を整える至福の時間を過ごす方法の記事で深掘りしていますので、ぜひご覧ください。
夜によく眠れるようになる
サウナは、夜ぐっすり眠れるようになる効果も期待されています。
不眠に悩む方にとって寝付けない、あるいはぐっすり眠れない辛さは大きな負担ですが、サウナ浴後の体温変化が睡眠の質を高める可能性があります。
2021年の日本の研究によると、サウナ浴後のリラックス感が深い眠りを促すとされています。
サウナ後、体温が約2時間かけてゆっくり下がることで、副交感神経が優位になりリラックス状態に入りますので、就寝の2時間前にサウナを利用するとより効果的です。
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うつ病に対するサウナ効果を感じた人の声

サウナ施設に通うのが難しい方は家庭用サウナがおすすめ

「サウナが気になるけど、施設に通うのが難しい…」という方は、自宅でサウナを楽しめる“家庭用サウナ”はいかがでしょうか?
自宅にサウナを置く、というとハードルが高く感じますが、最近ではその需要の高まりに伴って8万円から購入できる手軽なテントサウナや、本格的な遠赤外線サウナ(約30万円)など選択肢が豊富になっています!
家庭用サウナはサウナ施設に通う手間を省けるだけでなく、長期的に見るとコストを抑えることも可能です。

150万円のサウナを購入し、1回150円の電気代で運用する場合と、1回利用料が1,000円の施設に毎日通う場合を比較。
約5年で施設通いよりもコストが下回り、15年後には315万円もの差が生まれます。
家庭用サウナ平均的な寿命は15~20年ですので、十分に元が取れる計算です。
サウナの健康効果やマインドフルネス効果は、毎日続けることでより大きな効果を実感できます。
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まとめ

精神科医の樺沢紫苑さんは、自身のYouTubeで「サウナがうつ病に効果があるか?」という問いに対し、「サウナが合うかどうかは人それぞれ。大切なのは自分で試してみて心地よいかを確かめること」と語っています。
「サウナが気になるな」と思ったら、ぜひ一度サウナ施設に足を運んでみてください。
たった数分、サウナの温かさを感じるだけで、心が苦しいと感じている方にとって大きな一歩になるかもしれません。
もしも一人が不安なら、誰かを誘って一緒に行ってみるのも素敵ですね。
サウナは、ただ汗を流すだけの場所ではありません。心と体を同時に整え、自分を癒せる空間です。
もし「家庭用サウナもいいな」「家族のために自宅にサウナを設置したい」と思ったら、1,000以上のサウナ関連商品を取り扱う『サウナの専門商社』までお気軽にご相談ください。
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【参考文献】
横堀雄飛, 夏原隆之, 佐々木丈予, 関谷大輝. (2023). サウナ入浴が認知機能及びストレスに及ぼす影響. 日心第87回大会.
Janssen, C. W., Lowry, C. A., Mehl, M. R., et al. (2016). Whole-Body Hyperthermia for the Treatment of Major Depressive Disorder: A Randomized Clinical Trial.(大うつ病性障害の治療のための全身温熱療法:ランダム化臨床試験). JAMA Psychiatry, 73(8), 789-795
Kukkonen-Harjula, K., Kauppinen, K. (1989). How the sauna affects the endocrine system.(サウナが内分泌系に与える影響)PMID: 3218898.
Laukkanen, T., Laukkanen, J. A., Kunutsor, S. K. (2018). Sauna Bathing and Risk of Psychotic Disorders: A Prospective Cohort Study(サウナ入浴と精神疾患のリスク:前向きコホート研究). Med Princ Pract, 27(6), 562–569. doi: 10.1159/000493392.
河邊眞好. (2021). サウナ浴が抑うつ・ストレスに及ぼす影響について. The Japanese Journal of Sauna, vol.1.
Masuda, A., Nakazato, M., Kihara, T., Minagoe, S., & Tei, C. (2005). Repeated thermal therapy diminishes appetite loss and subjective complaints in mildly depressed patients(温熱療法を繰り返すと軽度のうつ病患者の食欲不振や主観的な訴えを軽減される). Psychosomatic Medicine, 67(4), 643–647. doi:10.1097/01.psy.0000171812.67767.8f.
YouTube動画:サウナはうつ病に効果がある?【精神科医・樺沢紫苑】