心も身体もリラックスできるサウナは、疲労回復に大きな効果が期待できます。
今回は、サウナで筋肉痛の疲労を超回復させる方法を解説していきます。
なぜ効果があるのか、どういう方法を取るべきかという情報を知っておくことは自分の体に関わることなのでとても重要です。
運動後や仕事後、筋トレ後にサウナに入る際注意してほしいポイントや、筋肉痛から回復させるときに最大の効果を得るにはどうしたらよいのかといったポイントにも細かく解説していきます。
【この記事の結論】サウナは遅発性筋肉痛に効果的!
最初に結論をお伝えすると、サウナは運動した翌日など、遅れてやってくる筋肉痛「遅発性筋肉痛」には効果的と言えます。
これは、遅発性筋肉痛の回復には温めることがよいとされているためです。
一方で、運動中や運動直後に感じる筋肉痛「即時性筋肉痛」には、筋肉の冷却が効果的とされているため、アイシングや水風呂の利用のほうがおすすめできます。
以下で詳しく解説していきます!
筋肉痛の原因・種類
筋肉痛の原因は、運動や負荷がかかった際に筋繊維が微細な損傷を受けることで起こります。
この修復過程で炎症や老廃物が溜まり、痛みや張りを感じるのが筋肉痛の正体です。
遅発性筋肉痛
運動してから数時間~1日後に感じるのが遅発性筋肉痛です。
これは、運動で傷ついた筋肉が修復される過程で炎症が起きるためです。
いわゆる「翌日にくる筋肉痛」で、慣れない運動や筋トレをした翌朝に体がバキバキになる感覚ですね。
遅発性筋肉痛の回復には、軽い有酸素運動や筋肉を温めることが効果的です。
よく「年を取ると筋肉痛が遅れてくる」と言われますが、実際には年齢と筋肉痛のタイミングに直接的な関係はありません。
大人になると即時性筋肉痛が起こるほどの激しい運動をする機会が減り、軽いダメージによる遅発性筋肉痛が発生しやすくなるためと考えられますね!
即時性筋肉痛
運動中や直後に感じる筋肉の痛みです。
即時性筋肉痛は、筋肉が一時的に疲労して、乳酸などがたまることで起こります。
たとえば、普段より激しい運動をした後に「うわっ、もう足がだるい!」と感じるような状態です。
即時性筋肉痛の回復には、ストレッチや筋肉の冷却が効果的とされています。
筋トレ後はサウナに入るべきでないという説もある
とはいえ、実は筋トレ後にサウナに入ることのメリットとデメリットについては、専門家や研究者の間でも意見が分かれる部分です。
メリットには、
- 筋肉の緊張を緩和する効果
- 筋肉への血流増加
- 筋肉の修復に役立つヒートショックプロテインの産生
サウナによって得られる可能性がある点があります。
一方、注意すべきデメリットとして
- 脱水リスク
- 高温が筋肉の回復を妨げる可能性
- 筋トレの疲労とサウナの疲労が蓄積するリスク
があります。
筋トレ後のサウナ利用は、その利点とリスクを理解し、自身の体調や目的に合わせて判断することが重要です。
水分補給の徹底やサウナの使用時間を適切に調整することで、リスクを低減することができます。
何より、自身の体調や感じる疲労度をしっかりとチェックし、無理をしないよう心がけることが大切です。
運動後・筋トレ後にサウナに入るメリット
筋トレ後にサウナに入ることに関しては、デメリットもありますがそれを大きく上回るメリットもあります。
運動後にサウナに入るとどんな効果が期待できるのでしょうか。
- HSP生成による筋肉の修復
- 疲労回復の効果
- 筋肉痛緩和
以下で詳しく解説します。
運動後・筋トレ後にサウナに入るメリット①HSP生成による筋肉の修復
筋トレ後にサウナに入る最大のメリットは、ヒートショックプロテイン(HSP)の生成です。
ヒートショックプロテインは、細胞の修復などの役割を持つタンパク質で、筋肉が熱にさらされた時にも生成されます。
ヒートショックプロテインは筋肉の回復が早めるとされていることから、筋トレ後にサウナに入るメリットの1つとなっています。
運動後・筋トレ後にサウナに入るメリット②血行が良くなり疲労回復
運動後に入るサウナは疲労回復の効果があります。よって、いちばんの目的は疲労回復となります。
運動後にサウナに入り、体を温めることにより血行が良くなり、疲労回復効果が期待できるからです。
運動後にサウナに入ることで「血流」が良くなると、具体的にはどんなメリットがあるのでしょう?
簡単に言うと、血流が良くなることで栄養と酸素が体の隅々まで運ばれることになり代謝が上がります。さらに血管や肝臓など、体のさまざまな器官が回復していきます。
また、運動の直後ではなく、2時間あたりのクールダウンを挟んでからサウナに入るのがよりおすすめです。
サウナに入る前に、一旦湯船に浸かることで汗の出が良くなりさらなる効果を得られることもできます。
運動後や労働などの疲労に対して疲労回復の方法としてサウナを利用する形は世界中で行われており、日本サウナ・スパ協会でも運動後や仕事の後にサウナに入ることは推奨されています。
肩こりや筋肉痛の原因は、主に筋肉の過度の緊張や血流の不足です。サウナ浴をすると血行がよくなり、筋肉内を循環する血液量が増え、汗と共に疲労物質(乳酸)が排出されるので、肩こり、腰痛などの神経感覚的症状が改善されます。
日本サウナ・スパ協会
また、運動後に入るサウナの効果には大きな特徴が2つあります。1つはサウナに入ることで短時間で体温が上がること。そして運動後にサウナに入るもう1つの理由は、「交感神経と副交感神経が交互に刺激されて、自律神経が整うこと」です。
運動後・筋トレ後にサウナに入るメリット③筋肉痛緩和
運動後にサウナに入るだけでなく、水風呂とサウナを組み合わせることをすべてのサウナー(サウナに入る人のこと)に推奨したいおすすめの入り方です。
サウナ⇒水風呂⇒外気浴を行うことで疲労回復の促進に繋がり、様々な健康の改善にも繋がります。
温冷効果というものを聞いたことはないでしょうか?
サウナの後に水風呂に入ることにより、交感神経が刺激され血管が閉まり血圧が上がります。
1分近く入っていると、副交感神経の働きで徐々にその冷たさにも慣れてきます。
水風呂から出て、少し椅子などで休憩してみてください。
低温から解放されることによってさらに副交感神経が働き、血管が緩み血流が活発になることで自律神経が整います。
サウナに入り血流が活発になることで乳酸を流してくれるため、運動後の筋肉のコリや筋肉疲労の解消に繋がります。
ちなみに水風呂(アイスバス)は単体で使っても、筋肉の炎症や筋肉痛の軽減、血流促進によるむくみ改善、体温低下による熱中症対策など、アスリートの疲労回復やパフォーマンス維持に効果的です。
プロのアスリートも使う、水風呂の効果や活用事例はこちら。
>>スポーツ選手がサウナ・アイスバスに入る理由と効果!アスリートのサウナ導入事例も紹介
筋トレ後にサウナに入る際の注意点
サウナは筋トレ直後に入るのではなく、1日空けてから入りましょう。
筋肉痛の原因となるのは筋繊維の損傷です。超回復は筋トレ後48~72時間に本格化するもの。
筋トレ直後にサウナに入っても逆効果になります。筋トレ直後は筋肉とその周りの組織の炎症が起こっている状態なので、筋トレ後はアイシングして筋肉を冷やすことが正しい処置になります。
筋トレ直後にサウナに入ると、筋肉の炎症を修復すべきエネルギーが体を冷やすなど、別の方面に使われることになります。結果として、疲労回復を遅らせてしまい、結果的に超回復に逆効果となってしまうのです。
サウナで筋肉痛が悪化することはある?
サウナの入り方や個人の体調・状態によっては、筋肉痛が悪化する可能性も考えられます。
たとえば、サウナでは体の水分が汗として大量に排出されますが、脱水状態は筋肉や関節の痛みを増幅させる可能性があるため、水分補給を怠ると筋肉痛が悪化するリスクがあります。
また、運動直後にサウナで高温を受けると筋肉痛の炎症を増加させる可能性があり、これが筋肉痛の悪化に繋がる可能性も。
運動後のサウナ浴は水分補給や利用時間の調整、適切な休息などの注意点を守らないと、筋肉痛の悪化や他の健康問題を引き起こすリスクもありますので、ご注意ください。
特にしっかりと水分補給を行うことと、運動してから1日以上空けてサウナに入ることを守りましょう。
サウナが原因で筋肉痛になることはある?
サウナ自体が直接的な筋肉痛の原因となることは少ないですが、サウナでの脱水状態により筋肉がつったり不調の原因となることがあります。
また、大量の発汗でナトリウムやカリウムなどの電解質が失われることで、筋肉の不調を引き起こす可能性も。
サウナを利用する前後には、水分や電解質の補給を行うことが必要です。
筋肉痛に効果的なサウナの入浴法とタイミング
筋肉痛を緩和させたい場合は、以下のポイントを考慮してサウナに入ると良いでしょう。
- 可能であればドライサウナよりも身体の深部から温めることができる「ミストサウナ」や「スチームサウナ」といった低温度・高湿度のサウナを選ぶ。
- 脱水や過度な高温を避けるため、長時間のサウナ浴は避ける。10分前後を2〜3セットがおすすめ。
- 各セットの間には外気浴や水風呂などでクールダウンする。この時に水分補給をすることも重要。
- 発汗による水分や電解質の喪失を防ぐため、水やスポーツドリンクなどで十分に補給する。
- 筋トレ直後ではなく、1日空けてからサウナに入る。
基本的には普段サウナに入る際と同じように入ることになりますが、運動時にも水分を失っていることもありますので水分補給をいつも以上に徹底することと、筋トレ直後のサウナ浴は避けることを意識しましょう。
岩盤浴の筋肉痛に対する効果や注意点
岩盤浴は、特定の鉱石を高温に加熱し、その放出する遠赤外線やマイナスイオンの効果を利用してリラックスや健康を追求する日本発祥の浴法です。
岩盤浴もサウナと同じように血行促進効果により、筋肉痛に効果を期待できます。
また、筋肉の修復を助けるヒートショックプロテインも体温を38℃以上にすることで生成されます。
岩盤浴の温度は40℃~60℃となっていますので、岩盤浴でもヒートショックプロテインは生成されるということになりますね。
岩盤浴の注意点もサウナに入る際と同じで、
- 脱水に気を付ける
- 筋トレ直後の岩盤浴は避ける
という点になります。
まとめ|サウナは筋肉痛に効果的?悪化させる?
- サウナは運動した翌日など、遅れてやってくる筋肉痛「遅発性筋肉痛」に効果が期待できる!
- 運動直後に感じる「即時性筋肉痛」は、水風呂の利用によるアイシングのほうが効果的。
- サウナは筋肉の修復が本格化する筋トレ後48~72時間のタイミングで入ること。
- サウナで脱水を起こすと筋肉痛を悪化させる可能性があるため、水分補給を徹底すること。
この記事では、サウナが筋肉痛について与える効果について深掘りしました。
ぜひサウナを上手に活用にして、健康効果を引き出していきたいですね!
特に運動される方でサウナや水風呂を活用されたいという方は、以下の記事も参考になりますのでぜひあわせてご覧ください!