サウナは多くの人に愛される健康法ですが、時に体に起こる反応に心配を感じることも。
「身体に負担がかかるサウナで血管がボロボロになるのでは?」
「サウナや水風呂に入っているときに心臓がバクバクして不安…」
という疑問や不安を抱えている方も多くいらっしゃるようです。
この記事では、
- サウナが血管や心臓に与える影響
- サウナ利用時の安全な方法や注意点
をご紹介します。
この記事を読めば、サウナ初心者の方はもちろんサウナに頻繁に通っている方もより安全にサウナを楽しむことができるようになるでしょう。
サウナで血管がボロボロになるって本当?健康へのリスク
サウナの健康へのリスクには、おもに
- 脱水
- ヒートショック
- 低血圧
- 水風呂による高血圧
の4つがあります。いずれも血管や心臓にかかわるリスクです。
詳しく解説します。
脱水
サウナ内では発汗により1回300~400cc程度の水分が失われると言われており、十分に水分補給を行わないと脱水状態になることもあります。
体内の水分が不足すると血液が濃くなり、血管内脱水になってしまうと心臓がバクバクすることも。
対策として、サウナ利用前後には十分な水分補給を心がけましょう。
ヒートショック
ヒートショックとは、体が急激な温度変化にさらされたときに起こる血圧の急激な変動や、心臓や血管の疾患のことを言います。
ヒートショックでは血圧の急激な変動が起こり、心臓への負担が増加する可能性があります。
特に心臓病や高血圧のある方は、ヒートショックのリスクが高まりますのでサウナや水風呂利用時に注意が必要です。
サウナと外気の間で温度変化を緩やかにすることや、かけ湯をして身体をお湯や水に慣らすこと、飲酒後・満腹時・体調がすぐれないときはサウナを控えることで対策できます。
低血圧
サウナでは脱水により血液量が減少すると、低血圧を引き起こすことがあります。
低血圧が起きると虚血(細胞の酸欠状態)が起こる可能性もあり、めまいや倦怠感の原因になります。
低血圧も、対策として十分に水分補給を行うことが大切です。
水風呂による高血圧
温度差による寒冷刺激で交感神経が反応し、全身の血管が収縮することで高血圧が起こることもあります。
特に水風呂を利用する際に血圧が上昇し、心臓がバクバクすることが多いです。
対策として、水風呂に入る際は徐々に身体を慣らし、短時間で済ませるようにしましょう。
>>サウナと水風呂の危険性|死亡事故や緊急搬送事例、サウナ利用を避けるべき人も解説
サウナ利用を避けるべきタイミング
- 食事直後
- 飲酒後
- ケガをしているとき
- 高血圧の方
- 妊娠中
- 過度な疲労時・寝不足時
食後すぐのサウナ利用は消化に必要な血液が皮膚や筋肉へと分散され、消化不良や胃腸の不調を引き起こす可能性があります。
また、アルコールは血管を拡張させる作用があり、これにサウナでの高温が加わると血圧の急激な低下やめまいなどのリスクが高まります。
サウナは血圧に影響を与えるため、高血圧の人は特に注意が必要です。
サウナや水風呂により血圧がさらに上昇する恐れがあり、心臓に過度の負担をかけることになります。
消費者庁によると、70代男性がサウナで急性循環器不全で死亡、心筋梗塞既往の50代男性がサウナ中に心臓発作を起こして入院する事例が報告されています。
死亡事故はかなりレアケースですが、持病がある方はサウナの利用は要注意です。
最後に、サウナで疲れを取りたいと考える方も多いと思いますが体が疲れているときや寝不足の場合、サウナでの高温がさらに体力を消耗させます。
加えて、疲労時は体の抵抗力が低下しているため、サウナ利用が不調を引き起こす可能性がありますので、疲れが溜まっているときもサウナ利用は避けるべきでしょう。
サウナの間違った入り方
サウナの間違った入り方としては、以下の5つに気をつけましょう。
- かけ湯をしないでサウナに入る
- はじめからサウナ室の上段に座る
- 無理して長時間サウナに入る
- サウナを出た直後に水風呂に入る
- 水に身体を慣らさずに水風呂に入る
- サウナ後に水分補給としてビールを飲む
以下でそれぞれについて詳しく解説しますので、「上記のいずれかをやってしまっている…」という方は、安全のためにそのリスクを理解して今後気をつけてください!
かけ湯をしないでサウナに入る
身体にシャワーや湯船から掬ったお湯をかける「かけ湯」は、サウナ前に必須のステップです。
かけ湯を省くと体が急激な温度変化に適応しにくくなり、急激な血圧の変動やヒートショックの危険性を高めます。
かけ湯は身体を清潔するだけなく、サウナ室の熱に体を慣らす効果もあるのです。
はじめからサウナ室の上段に座る
熱い空気や蒸気は部屋の上へと上がっていくため、サウナ室は上段に行くほど温度が高くなります。
最初から上段に座ると体が急激に熱くなりすぎてしまい、これも血圧の急激な変動やヒートショックの原因となります。
サウナ利用時ははじめは下段で体を温め、徐々に上段に移動しましょう。
無理して長時間サウナに入る
サウナは長く滞在するほど汗が出て効果が高まるように感じますが、長時間サウナに入ることは身体に大きな負担をかけますので健康に対して逆効果です。
特に水分補給を怠ると脱水症状を引き起こすため、長時間サウナに入り続けるのは大変危険です。
体調に合わせて、心地がいいと感じられる程度の長さの時間で、サウナを楽しむことが大切です。
サウナを出た直後に水風呂に入る
サウナを出た直後に急に冷たい水風呂に入ると、血圧の急上昇や心臓への大きな負荷につながります。
かけ湯をしたり休憩をして、少し時間をおき身体を冷ましてから水風呂に入るほうが安全です。
水に身体を慣らさずに水風呂に入る
水風呂に入る前に、身体を少しずつ水温に慣らすことが重要です。
特に冷たい水風呂は心臓や血管に大きな負担をかけるため、急に全身を水に浸すのではなく、手や足先など身体の末端(心臓から遠い部位)から少しずつ冷水をかけ、身体を十分に慣らしましょう。
サウナ後に水分補給としてビールを飲む
サウナ後にビールで喉を潤すのを楽しみにサウナを楽しんでいる方も多くいらっしゃいますが、アルコールには利尿作用があるため水分補給にはなりません。
水分補給には水や麦茶、スポーツドリンクなどが最適です。
また、カフェインにも利尿作用があるためコーヒーやエナジードリンク、緑茶も水分補給としては向きませんのでご注意ください。
安全なサウナの利用方法
サウナに入る際は血管や心臓への負担を少なくするために、以下の安全な利用方法を心掛けましょう。
- 食事から2時間以上開けて入る
- サウナ前後に十分な水分補給を行う
- 低温サウナを選ぶ
- 短時間のサウナ利用にする
- 水風呂も短時間で済ます
食事から2時間以上開けて入る
食後サウナに入ると消化に必要な血液が全身に分散されてしまい、消化不良や消化器官の不良の原因となります。
食事後1~2時間は待ってからサウナに入ることで、体への負担を少なくすることができます。
サウナ前後に十分な水分補給を行う
サウナは多量の発汗を促すことから脱水状態を引き起こす可能性があるため、サウナの前後には十分な水分補給が必要です。
特に水分はサウナ利用前に取ることが重要で、サウナ後も水分バランスを整えるために水やスポーツドリンクを摂取しましょう。
低温サウナを選ぶ
サウナ施設で利用できるサウナは、
- 低温高多湿の「湿式サウナ」
- 高温低湿度の「乾式サウナ」
の2種類に分類されます。
乾式サウナ | 湿式サウナ | |
---|---|---|
イメージ | ||
温度 | 90℃~120℃ | 40℃〜70℃ |
湿度 | 10%程度 | 80%〜100% |
おもなサウナ種類 | ドライサウナ遠赤外線サウナ | ミストサウナスチームサウナ |
高温の乾式サウナは、体への負担が大きくなります。
特に初心者や体調が万全でない場合は、体へのストレスが少なくリラックスしながらゆっくり楽しめる湿式サウナを選ぶほうが安全です。
ミストサウナ等の湿式サウナは湿度が高いので、肌や髪にうるおいを与えてくれるので美容にも効果的ですよ。
より深くサウナの効果の違いを知りたい方は、ドライサウナとミストサウナの違いやミストサウナとスチームサウナの違いの記事が参考になります。
短時間のサウナ利用にする
長時間のサウナ利用は、身体への過度な負担を与えます。
特に初心者や健康上の不安がある方は、10分以下の短時間での利用を心がけることが重要です。
特に100℃を超えるような高温サウナは、5分程度の短時間で済ませましょう。
\サウナ利用時間の目安/
- 100℃のサウナ:5分程度
- 80℃のサウナ:10分程度
- 50℃のサウナ:30分程度
体調を確かめながら、無理のない範囲でサウナを楽しみましょう。
水風呂も短時間で済ます
水風呂はサウナ後のクールダウンに効果的ですが、長時間入ると体にショックを与える可能性があります。
水風呂は1~2分程度で済ますのが理想的です。
もちろん辛いと感じる場合や、身体への負担を少なくしたい場合は1分以内でもOK。
水風呂もサウナ同様、無理のない範囲で利用してください。
水風呂に入って心臓がバクバクし始めたり脈が早くなってしまった場合は、急な温度変化により高血圧になっている可能性がありますので、水風呂から出て身体を落ち着けましょう。
サウナ中に心臓がバクバクする時の対処法
サウナに入ると血圧の変化、脱水症状、体温の上昇により心臓がバクバクしてくることがあります。
このような場合は、サウナや水風呂から出て安全な場所に座って休憩したり水分を摂ることで症状が落ち着くことが多いです。
また、サウナや水風呂に入る時間を短くすることで対策することもできます。
ただし、心臓や血圧関連の持病がある方でサウナに入ると頻繁に心臓がバクバクしてしまうという場合は、サウナ利用を控えたうえで医師に相談することをおすすめします。
サウナ使用後や翌日に体調不良を感じる原因・対処法
サウナに入っている最中ではなく、サウナから上がった後や翌日に体調不良を感じるケースもあります。
以下では体調不良になる原因として考えられることを挙げ、それぞれの対処法をまとめました。
■脱水症状
サウナで大量に発汗し、その後も水分を十分に摂っていないとサウナ後や翌日まで脱水症状による倦怠感などが続くことがあります。
これを避けるためには、サウナ利用前後に十分な水分を摂取することが重要です。
特にサウナ後はスポーツドリンクなどで、ミネラルを補給すると効果的です。
■高温にさらされたことによる倦怠感
長時間サウナに入りすぎると、体に過度な熱負荷がかかることでエネルギーを消費し、倦怠感を感じることがあります。
これを防ぐには、サウナの利用時間を短めに設定したり低温のサウナを選ぶと良いでしょう。
■発汗によるミネラル・栄養の不足
サウナでの発汗によって水分だけでなく、ミネラルや栄養素が失われることもあります。
このため、サウナの後はバランスの取れた食事を摂ることが大切です。
特にミネラルを多く含む野菜やフルーツや、ササミや豆腐など高タンパクな食材を摂るのがおすすめです。
■サウナ浴直後の睡眠による睡眠の質の低下
サウナ浴直後に就寝すると、体温が下がらず、睡眠の質が低下することがあり、これにより翌日まで疲れや不調が残ってしまうことも。
理想的なのは、少なくとも寝る3時間前にサウナに入ることです。
これにより体温が自然に下がることで身体がリラックス状態になり、室の高い睡眠が得られます。
サウナの健康へのプラスの効果
サウナを正しく使えば、健康や美容に対し多くのよい効果を得ることができます。
- ストレス緩和
- 筋肉のリラックス効果
- 代謝の向上
- 免疫力の強化
- 睡眠の質の向上
- デトックス効果
サウナは体の筋肉を緩め、心身の緊張をほぐし、継続的に利用することにより代謝や免疫力の強化にも役立ちます。
こういった効果を得るために、前述した安全なサウナ利用方法を守って身体への負担を減らしてサウナを楽しむようにしましょう!
まとめ
サウナは適切に利用すれば血流を改善し、心血管系の健康をサポートする効果があると言われています。
サウナ中の心臓のバクバクは、急激な温度変化による身体の反応であり、適度な利用と水分補給を心がけることで対策することが可能です。
この記事を通じてサウナの安全な楽しみ方を理解し、サウナのメリットを最大限に活用していただければと思います!
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