【画像で解説】サウナ用水風呂のチラーの仕組みと施工・メンテナンスの完全ガイド
- 2024年11月6日
サウナの後の水風呂は、あの心地よい冷たさがたまりませんよね。
しかし自宅でサウナを楽しむ際、理想の水温を保つのはなかなか難しいものです。
そこで役立つのが「チラー」という冷却装置。
これさえあれば、いつでも快適な水風呂が楽しめます!
でも、チラーは専門的な機器で家庭用製品の情報も少ないため、「チラーってどういう仕組みなんだろう?」「施工やメンテナンスは難しそう…」と疑問や不安を持っている方も多いのではないでしょうか。
この記事ではそんなあなたのために、チラーの仕組みを図解や画像を交えながらわかりやすく解説します!
さらに、施工方法からメンテナンスのポイントまで、10社以上の水風呂・チラー製品を取り扱うサウナ専門代理店である“サウナの専門商社”が、プロの視点でしっかり解説・サポートします。
これを読めば、チラーの導入や維持に関する疑問が解決し、自宅サウナライフが一層快適になること間違いなしです!
ぜひ最後までお読みいただき、理想のサウナ環境を手に入れてください。
目次
サウナ用水風呂に使われるチラーとは?
サウナ後の水風呂において理想的な温度は16~17℃とされていますが、浴槽に水道水を張るだけではこの低温を維持するのは難しいです。
特に、複数人が利用する場合は水温がすぐに上昇し、30℃近くなることも…。
特に夏場は水道水の温度が高く、サウナ後の水風呂として不十分になってしまうことが多いです。
そこで、水風呂では一定の水温を保つために「チラー(冷却水循環装置)」が用いられます。
関連記事:サウナ用水風呂・バスタブ5選!冷却用チラーについても解説
チラーなしで水風呂を冷やす方法は?
チラーを使用しないで水風呂を冷やす方法としては、以下の3つがあります。
■氷を入れる
水風呂に製氷機やタッパーで作った氷を入れると、迅速に水を冷やすことができます。
ただし200Lの浴槽を17℃以下に保つには20kg以上の氷が必要で、定期的に補充する必要があります。
■保冷剤を入れる
大きな保冷剤を使用することでも、水を冷やせます。
使用後は保冷剤を冷凍庫で再冷凍することで再利用可能です。
■ミント系バスソルトを入れる
ミント系のバスソルトや入浴剤を使用すると、実際の水温よりも冷たく感じます。
ただし水温が下がるわけではないので、サウナ施設の水風呂のような強い爽快感は得られにくいです。
これらの方法は水を循環させる機能はなく、チラーの完全な代わりとはなりませんので、本格的なサウナ体験を求めるのであればチラーの導入を検討することをおすすめします。
水風呂にチラーを使用するメリット
- 一定の低温を維持できる
- 複数人が水風呂を利用してもぬるくなりにくい
- サウナで整いやすくなる
- 氷を追加する手間がない
- 水を循環させることで清潔な水質を保つ
チラーは水風呂の水温を下げるだけでなく、設定温度を一定に保つことができます。
また、チラーを使うことでサウナと水風呂の繰り返しによる深いリラックス状態(整い)が得られやすくなるでしょう。
チラーによって低温を維持し、かつ水を循環させることで清潔な水質を保つ効果も期待できます。
※一般家庭の水風呂で使われるチラーには浄化・殺菌機能はない場合が多いため、残り湯に「レジオネラ菌」が増殖する恐れがありますので、使用後に水を毎回替えることをおすすめします。
チラーの価格相場
家庭で使えるチラーの相場は、20万円~150万円と幅広いです。
安いものだと冷却に時間がかかったり、耐久年数が短い場合がありますのでご注意ください。
冷却時間が短く、サイズがコンパクトなものほど価格が高くなる傾向があります。
また、上記は本体単体の価格ですので、別途必要になる循環ポンプや制御盤にも費用がかかってきます。
チラー(冷却水循環装置)の仕組み
「チラー(冷却水循環装置)」は、水を循環させて冷やす装置です。
おもに産業界で広く使用されており、食品加工工場での冷却・洗浄・成形工程、機械の温度調節などに活用されています。
家庭用としては、水槽の温度を管理するために用いられることが多いですが、近年ではサウナ後に利用する水風呂を冷やす目的で個人がチラーを活用するケースも見られます。
チラーの種類
チラーにはいくつかの種類があり、水の冷やし方や循環方法に違いがあります。
一般的なチラーの種類として、以下の2つをご紹介します。
■空冷式チラー
空気を利用して冷却するタイプです。
冷却用のファンモーターが内蔵されていることが、特徴になります。
外部の空気を使用して冷却水を冷やすため、設置場所の選択に制限が少なく、メンテナンスも比較的簡単です。
しかし、外気温の影響を受けやすいため、高温環境では効率が下がることがあります。
■水冷式チラー
水を使用して冷却するタイプです。
高効率で安定した冷却が可能ですので大きな空間を冷やしたい時などに用いられますが、冷却水の供給システムや冷却塔が必要になるため、設置には広いスペースが必要です。
\ポイント/
水風呂や水槽を冷やすのに使用されるチラーは、一般的に空冷式チラーが選ばれます。
空冷式チラーは比較的コンパクトで、家庭内や小規模な商業施設での使用に適しています。
サイズや冷却能力は製品によるため、適切なモデルを選ぶことが重要です。
チラー選びのよくあるトラブル
基本的にチラーは、本体を購入しただけでは実際に使用することはできません。
チラー本体だけでなく、ポンプや配管工事も必要になるということを知っておきましょう。
また、適切でないチラーを選んでしまうと冷却効果が得られなかったり、適さないポンプを使ったことによるチラーが故障してしまったという事例も多く見られます。
このようなトラブルを避けるためにも、チラーの選定から設置、ポンプの選択、配管工事に至るまで、専門知識を持ったプロフェッショナルに依頼することが大切です。
サウナの専門商社なら家庭用/業務用チラーの選定や工事についてサウナコンシェルジュに相談が可能。
是非お気軽に電話やメール・LINEで相談してみてください。
水風呂用チラーの選び方
サウナ用水風呂を選ぶ際は、以下の点を確認しいくつかの製品を比較・検討しましょう。
- 水風呂に対応した製品か
- 冷却能力
- チラーのサイズ
- 循環ポンプや制御盤が付属しているか
- 屋外でも使用できるか
- 設置方法
- エネルギー効率
- 使用電圧
- 品質と耐久性
- メンテナンスとサポート
- 価格とコスパ
水を効果的に冷やすために購入前に重視すべき点が多いですが、上記を十分に確認することで、導入後もトラブルが少なく使い続けられます。
水風呂に対応した製品か
家庭用チラーの多くは、魚を飼育する水槽用に設計されています。
水風呂用としても利用できるかは、メーカーや代理店の情報にもとづいて確認し、適切な製品を選ぶことが大切です。
水風呂に対応したチラーでないと冷やすのに時間がかかったり、低温の水風呂を作れない場合があります。
冷却能力
チラーの冷却能力は、水風呂のサイズや水量に合わせて選ぶ必要があります。
安価なモデルでは浴槽の水を冷やすのに8時間程度かかることもありますので、効率的な冷却時間を考慮して選びましょう。
チラーのサイズ
チラーのサイズは設置場所に合わせて選びます。
大きすぎると設置場所に困るため、使用する場所のスペースを考慮して選定してください。
チラーのサイズは製品によりますが、平均としては幅730mm×奥行510mm×高さ740mmといったところです。
風通しが良く直射日光が当たらない場所が理想的ですので、その点も合わせて設置できるスペースがあるか検討しましょう。
循環ポンプや制御盤が付属しているか
水風呂用チラーを選ぶ際には、循環ポンプや制御盤が付属しているかどうかが重要なポイントとなります。
プロでない方が循環ポンプの選定や接続を行うと、チラーの故障の原因となることがありますので注意が必要です。
また、制御盤が付属していないチラーだと、温度管理やチラーのON/OFF操作が煩雑になり、利便性が大きく低下します。
制御盤がない場合、コントローラーが付属していても循環ポンプの操作が別途必要になることがあり、使用者にとっては手間がかかることになります。
加えて、業務用サウナで水風呂を設置する場合、自治体の保健所からの指示によりろ過装置の付属が必要となることがあります。
これは公衆衛生を保つための重要な要件であるため、事前に確認しておくことが大切です。
水風呂用チラーを選ぶ際には、これらの点をしっかりと考慮し、必要な機能が備わった製品を選択することが推奨されます。
屋外でも使用できるか
屋外に水風呂を設置する場合、チラーが屋外使用に適しているか確認が必要です。
製品によっては、屋内専用のものもあります。
設置方法
自宅にチラーを導入する場合、設置方法と水風呂本体と適合するかを確認します。
導入にあたっては、必要な配管や電源の確保も考慮に入れましょう。
エネルギー効率
電気代は消費電力(kW)の数値が高いほど上がっていきます。
エネルギー効率が良いモデルを選ぶことで、長期的なコストを抑えることが可能です。
使用電圧
100Vや200V、単相または三相など、使用電圧によって電気工事の手間が異なります。
一般的な家庭用コンセントは単相100Vですので、単相200V/三相200Vを使用する場合は電気工事が必要になります。
以下では、単相100Vの電気が供給されている場合に必要な工事と費用をまとめました。
- 単相100Vのチラーを使う:電気工事は不要。
- 単相200Vのチラーを使う:100Vから200Vに変換する工事が必要。工事費用は1万円~3万円。
- 三相200Vのチラーを使う:単相から三相にするための電線引き込み工事とブレーカーの交換、100Vから200Vに変換する工事が必要。工事費用は20万円~。
単相100Vのチラーなら電気工事は必要ありませんが、冷却能力が低く水風呂が冷えるまで時間がかかる場合が多い点はご注意ください。
品質と耐久性
製品の品質と耐久性は、使用期間に影響します。
製品の寿命の目安を確認し、長期的な使用を考えて品質の高い製品を選ぶことが望ましいです。
チラーの耐久年数は製品によりますが、目安としては6~10年となります。
耐久年数が長い品質重視のものほど、価格は高くなる傾向があります。
メンテナンスとサポート
メンテナンスの容易さやアフターサポートの有無は、チラーの維持管理において重要です
定期的なメンテナンスの手間や、サポート体制が整っているかを確認しましょう。
価格とコスパ
チラーは、価格と長期的なコストパフォーマンスを考慮して選びます。
価格のみを見て選ぶのではなく、運用コストや耐久年数とのバランスを確認して、予算に見合った最適なモデルを選ぶことが重要です。
水風呂にチラーを接続する方法
水風呂にチラーを接続する方法は、
- 水風呂本体とチラーを別で用意する場合
- 水風呂とチラーがセットになった製品の場合
で異なります。
水風呂とチラーがセットになった製品は、水風呂にチラーと接続するための穴が開けられていたり、必要な備品がすべて付属していることが多いことから、設置が楽になります。
水風呂本体とチラーを別で用意する場合
水風呂として使うバスタブとチラーを別々に用意する場合は、まずバスタブに循環ポンプをつなげてチラーと接続するための穴を開ける必要があります。
この穴あけ作業は専門の業者に依頼するのが安全です。
循環ポンプはチラー本体に付属していないことがありますので、その場合はチラーのメーカーにおすすめの製品を聞いて別途用意しましょう。
チラーの設置は水道や水回りの設備業者に依頼します。
サウナ施工と同時に行う場合、工務店経由で設備業者を手配すると効率的です。
水風呂を複数人で使用する場合は、水風呂内の細かいゴミや髪の毛が気になることがありますので、ゴミをキャッチするためにヘアキャッチャーの設置も推奨されます。
この場合は、バスタブ・チラー本体・ヘアキャッチャーを接続することになります。
水風呂設置に必要な備品等
- チラー本体+コントローラー:20万円~150万円
- 循環ポンプ:10万円前後
- ヘアキャッチャー(簡易濾過フィルター):3万円~8万円
- チラーの動作に必要な電源:電気工事が必要な場合あり
チラーは単相100/200Vまたは三相200Vの電源で稼働しますが、設置場所の電源と適合しない場合は電気変換工事が必要になります。
水風呂とチラーがセットになった製品の場合
近年ではサウナの流行に伴い自宅にサウナを設置する人も増えてきたため、家庭用の水風呂としてバスタブとチラー、循環ポンプがセットになった製品も登場しています。
このような製品はすでにバスタブにチラー接続用の穴が開いているので、ホースをつなぐだけで簡単に取り付けることができます。
チラーの基本的な使い方
チラーの使い方はメーカーによって異なる場合がありますので、使用例をご紹介します。
- 配線と配管の接続
- 水風呂に水を張る
- 循環ポンプの起動
- 目標温度の設定
- 温度の確認
- サウナと水風呂の利用
①配線と配管の接続
まず、チラーの電源とバスタブへの配線、配管を適切に接続します。
チラーの取扱説明書に従い、正確に接続することが重要です。
必要であれば、設置作業を業者に依頼しましょう。
②水風呂に水を張る
次に、水風呂に適量の水を張ります。
ここでの水量は、チラーの能力に合わせて調整してください。
③循環ポンプの起動
循環ポンプの電源を入れて、水の循環を開始させます。
④目標温度の設定
チラーに付属のコントローラーを使用して、目標とする水風呂の温度を設定します。
サウナ後の水風呂において理想的な温度は16~17℃とされていますが、利用者の好みに応じて調整してください。
⑤温度の確認
目標温度に達するまで定期的にチラーの温感センサーを確認します。
目標温度に達するまでの時間は、チラーの冷却能力によって変わります。
冷却能力が高いチラーだと1時間程度で水が冷えますが、冷却能力が低いものだと8時間程度かかることがあります。
⑥サウナと水風呂の利用
水が設定温度に達したら、サウナと水風呂を交互に利用しましょう。
製品によっては、設定温度から1℃上昇すると自動で調整を行ってくれる機能があります。
チラーのメンテナンス方法
チラーのメンテナンスは、装置の性能を維持し長持ちさせるために非常に重要です。
週に一度程度、チラーのコンデンサー部分のホコリや汚れを取り除きます。
コンデンサー部分は、掃除機やエアーダスターなどを使ってホコリを除きましょう。
コンデンサーにホコリが溜まると、冷却効率が低下し、装置の性能に影響を及ぼす可能性があります。
同じく週に一度程度、チラーに付属している専用フィルターも清掃します。
中性洗剤などで洗い、完全に乾かしてから再度取り付けましょう。
フィルターが汚れると、空気の流れが悪くなり、冷却効果が低下します。
漏電のリスクを防ぐため、メンテナンスを始める前には必ずチラーの電源プラグを抜いてください。
※チラーのメンテナンス方法は、製品やメーカーにより異なる場合があります。製品の取扱説明書をご確認ください。
チラー故障時の対応
チラーに落下などの衝撃を与えた場合や、発煙・異臭などの異常がある場合は、さらなる損傷や安全上のリスクを防ぐためにすぐに使用を中止してください。
コントローラーの電源が入らなくなった場合は、主電源が入っているか、正しい電圧の電源に繋がっているかを確認しましょう。
クーラーが作動しない場合は、水温が設定温度より低くなっていないかを確認します。
水温が設定温度以上で、クーラーがONになっているにもかかわらず水温が冷えない場合は、
- 内部にホコリが溜まっていないか
- 直射日光に当たっていないか
- 水量に対してクーラーの能力が十分か
をチェックしてください。
故障時の挙動は製品によって異なるため、メーカーへ直接相談するのが一番です。
保証期間中に故障した場合は無償修理を行ってくれるメーカーや、保証期間外の場合でも有償で修理サービスを提供しているメーカーもあります。
メンテナンスと適切な使用方法を守ることで、故障のリスクを最小限に抑えられますので、チラーは普段から正しく使うことを心がけましょう!
サウナ専門商社ならチラー使用に必要な備品・工事をセットで提供
ここまでに解説してきた通り、水風呂を冷却するためのチラーは、チラー本体を購入するだけでなく
- 適切な循環ポンプの購入
- 配管工事
- 制御盤の用意
など、必要な準備が多く複雑です。
使用方法に合ったチラー選びをしないと使い勝手が悪かったり、チラーに対して不適切な備品を使ってしまうとチラーの故障につながるというリスクも…。
サウナの専門商社なら、難しいチラーや周辺備品選び、設置・配管工事まで、あなたにぴったりのセットをご提案!
複数のチラーメーカーの製品を比較して、ニーズに合う製品を紹介させていただきますので安心です。
家庭用・業務用ともに使用できる製品を用意していますので、是非お気軽に電話やメール・LINEで相談してみてください。
まとめ
チラーにより低温に保たれた水風呂を用意することで、サウナの爽快感が高まります。
チラーの適切な設置とメンテナンスは、水風呂の水温を理想的な状態に保つために不可欠です。
水風呂のチラー導入を考えている方は、まずはご自身のスペースや予算を確認し、適切な製品を選びましょう。
プロに相談することで安心して最適なチラーを導入できますので、ご不明点や疑問点がございましたら、サウナの専門家「サウナコンシェルジュ」まで無料でご相談ください!