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【自宅でサウナ】家庭用サウナは賃貸でも置ける?確認しておくべき設置基準まとめ
- 2024年9月5日
サウナブームでサウナにハマり、自宅にもサウナを置きたい!と考える方も増えてきています。
この記事では、自宅にサウナを置く場合に確認しておくべきサウナの設置基準についてまとめております!
目次
サウナの設置基準とは?
サウナの設置基準とは、社団法人日本サウナ・スパ協会がサウナが原因の火災の発生を防止する目的で設定した基準です。
消防法や火災予防条例に関する法令や、熱源からの離隔距離など、サウナを安全に使用するための指針として活用できます。
自宅にサウナを導入し、電気ストーブを設置する際には安全のためにもこの基準に沿って設計した方がよいでしょう。
またこの基準は、電気ストーブ1台の最大消費電力が30kW以下のものについての基準ですが、一般的なサウナストーブは大きなものでも11.6kW程度ですので、ほとんどのサウナストーブがこの基準にあてはまると思います。
関連記事:バレルサウナを建てる前に確認!消防法・火災予防条例とは?
サウナストーブ設備についての基準
サウナ設備の設置基準によると、サウナ設備の取り付けについては以下のように記載されています。
- サウナストーブは壁や床にしっかり固定すること
- サウナ室内の温度が異常に上昇した場合には自動的に電源を遮断する装置がつけられていること
- 温度調節器や温度過昇防止器はサウナ室の床から天井までの高さの約2/3以上の高さに設置すること
- ファンを用いるサウナストーブの場合は、ファンが停止した場合に熱源の電源を遮断する装置を設置すること
- サウナストーブに容易に触れないよう囲いや柵を設置すること
ストーブは壁や椅子からどれくらい離すべき?
設置基準内には「対流型放熱器」と「遠赤外線放射装置」の2種類のストーブについて記載されていますが、この記事では現在主流である「対流型放熱器」のストーブについて記載します。
サウナストーブから天井、壁、床、椅子との距離
サウナストーブからの隔離すべき距離の基準は、ストーブの最大消費電力と、隔離する物が不燃材かどうかで大きく変わってきます。
下表のAは隔離距離を表しており、壁や天井等が不燃材で仕上げられていない場合に、表面温度が100℃以上にならず火災予防上安全な距離を保てる、消防法で定められた距離のことです。
下表のb及びcは保有距離を表しており、壁や天井等の仕上げに関わらず、火災予防上安全な距離として定められた距離のことです。
消費電力 | 7.5kW以下 | 7.5-15kW以下 | 15kW-30kW以下 |
A | 25cm以上 | 50cm以上 | 100cm以上 |
b | 10cm以上 | 20cm以上 | |
c | 100cm以上 |
サウナストーブの点検スペースの確保
サウナストーブの周囲には、サウナストーブを点検するためのスペースを設けるよう指導されています。
万が一ストーブに不具合が起きたときに、わざわざストーブを動かさなくても点検が出来た方が楽ですので、壁や天井の素材に関わらずスペースをとっておいた方が良いでしょう。
国際電気規格(60335-2-53)の認証
国際電気規格(IEC)とは、電気や電子に関する技術における標準化を目的として1906年にイギリスで創立された規格です。
日本で「規格」と聞くと「JIS規格」が馴染み深いですが、日本も創立当時から参加をしていて、IECとの整合性を取ったうえでJIS規格が整備されています。
国際電気規格(IEC)の認証を受けたストーブに依っては、上述した隔離距離より短い距離で設置できる製品もありますので、サウナ導入前の消防署相談の段階で認証データを提出しておくと良いでしょう。
壁に使用する素材について
サウナのストーブ周辺は、防火の観点でも、スペースの有効活用の観点でも不燃材で仕上げることが望ましいです。
上述の通り、壁を不燃材で仕上げた場合には設置基準で定められた隔離距離を縮めることができ、また万が一壁の温度が上がった場合にも燃え広がるリスクを減らせます。
壁に使える不燃材の例
サウナ設備の設置基準に挙げられている不燃材は、
- 天井:ロックウール吸音板
- 壁面:抗火石
- 床面:コンクリート
です。
その他にも、建築基準法に基づく不燃材料として以下の17項目が挙げられております。
- コンクリート
- レンガ
- 瓦
- 陶磁器質タイル
- 繊維強化セメント板
- ガラス繊維混入セメント板(厚さ3mm以上)
- 繊維混入ケイ酸カルシウム板(厚さ5mm以上)
- 鉄鋼
- アルミニウム
- 金属板
- ガラス
- モルタル
- しっくい
- 石
- 石膏ボード(厚さ12mm以上)
- ロックウール
- グラスウール板
ただし、石の中でも大理石や花崗岩は耐熱性が低いため使わないほうが良いです。
電気配線についての基準
サウナ室内の電線に適していると記載されているのは次の通りです。
- MIケーブル
- ケイ素ゴム絶縁硝子編み組電線
- 上記と同等以上の耐熱性・耐湿性を持つ電線
MIケーブル:ステンレス鋼やインコネルなどの耐性のある材料で作られた、絶縁された金属シースで囲まれた銅導体で作られた特殊なケーブル 高温高圧に耐え、−269~1,260℃までの広い温度範囲で使用できます。
ケイ素ゴム絶縁硝子編み組電線:スズメッキ軟銅線に、ガラス繊維を被覆した電線 最高使用温度180℃、定格電圧600V、電気用品型式認可製品
維持管理 日頃行うべき保守・点検・清掃
サウナ設備の設置基準には、サウナの設置方法だけではなく日頃の保守・点検についても記載されています。
日常的に行う保守・点検
- 運転・停止のスイッチが正常に作動するか確認する
- 温度調節器が正常に作動するか確認する
- サウナストーブの温度が設定どおりに作動するか確認する
- サウナストーブの周辺に可燃物がないように清掃する
日常的にサウナを使用していると、上3点については異常があればすぐに気づけるかと思いますが、4点目についてはこまめに注意が必要です。
ストーブが吐出する空気の温度は400℃を超え、ロウリュ用ストーンの表面温度も350℃程に上昇します。
紙の発火温度は約300℃と言われているため、ストーブ付近に紙が置いてあると発火してしまう可能性があります。
可燃物 | 発火点 |
---|---|
ティッシュペーパー | 263℃ |
新聞紙 | 291℃ |
綿 | 260℃ |
ポリエステル | 490~560℃ |
ナイロン | 490~580℃ |
ポリエチレンテフタレート(ペットボトル) | 485℃ |
定期的に行う保守・点検
月1回行うこと
- サウナストーブの運転電流値を確認する
- サウナストーブおよび電路の絶縁抵抗値を確認する
- 漏電遮断器が正常に作動するか確認する
年1回程度行うこと
- サウナストーブの構造部分の点検をする
サウナストーブは電圧も200Vと通常の家電製品よりも高い電圧を使う上、密閉された部屋で室温の高い空間に置かれています。
少しの異常から大事故に繋がる可能性もありますので、ストーブ本体だけでなく電気回路の確認も怠るわけにはいきません。
最後に
サウナは汗を流してリラックスできる半面、高温になればなるほど危険も増えます。
充分安全に配慮した設計と、日頃の保守・点検は欠かさずに安全を確認したうえで楽しめるようにしましょう。
サウナを開業される際には、初期設計の段階から管轄の消防署や専門家とよく相談の上進めていくようにしましょう。
サウナの専門商社なら自宅へのサウナ導入の費用や工事、法律面についても相談が可能。
是非お気軽に電話やメール・LINEで相談してみてください。