水風呂にろ過装置を導入する目的とメリット｜サウナ施設や家庭での導入ポイントを徹底解説

• 2025年3月12日

「サウナ施設を作りたい！」と夢に胸を膨らませていた矢先、保健所での相談で「公衆浴場法に基づいて、水風呂にはろ過装置が必要」と聞いて、驚かれた方も多いのではないでしょう。

この記事では、水風呂ろ過装置がなぜ必要なのか、そのメリットや導入時の注意点をわかりやすく解説します。

後半では、家庭用水風呂にもろ過装置を導入することで「いつでも清潔 & 快適なキンキン水風呂」を実現できるメリットや、実際の導入事例も紹介しますので、理想の水風呂づくりに役立ててください！

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ほぼ全ての温浴施設にろ過装置が設置されている

現在運営されているほとんどの温浴施設では、お湯や水を張った浴槽にろ過装置が導入されています。

温浴施設の水風呂にろ過装置が欠かせないおもな理由には、「衛生管理」と「法律遵守」の2つがあります。

チラーと同じ循環系統で導入可能

こういう解説画像は積極的にalt属性付けてください！

ろ過装置は、水風呂冷却用チラーと同じ循環系統に組み込むことができます。

水を冷やしながら浄化も行えるため、効率的に水質管理が可能です。

設置時には、ろ過装置とチラーを同じ業者に依頼するのがスムーズです。

弊社が運営する「水風呂・チラードットコム」では、ろ過装置とチラーを一括して提案・設置しています。

実績豊富な専門スタッフが最適な配置や運用方法をアドバイスし、スムーズな導入をサポートします。

水風呂にろ過装置を導入するメリット

ここでは、水風呂にろ過装置を導入するメリットをより具体的に説明していきます。

ろ過装置を導入するおもなメリットは、以下の3点です。

• 毎日水を替えなくても水質を維持できる。
• 公衆浴場法で求められる水質基準をクリア
• レジオネラ菌や細菌繁殖の防止

毎日水を替えなくても水質を維持できる

公衆浴場法では温浴施設の水風呂や浴槽にろ過装置がない場合、毎日水を抜いて交換しなくてはならないと決められています。

一方、ろ過装置がある場合は週1回の水交換でOKです。

毎日の水替えが不要になると水質を維持しながら、手間やコストを大幅に削減可能です。

特に水温が低い水風呂では皮脂などの汚れが固まって水が白濁しやすいので、ろ過装置を導入することでいつでも清潔に水を使うことができます。

また、水を毎日替えなくていいことで、運営コストが削減できるというメリットもあります。

水道代削減＝コスト削減

毎日水を替える必要がなくなるため、水道代が大幅にカットされます。

例として、2,000リットルの容量の水風呂を使うとして、毎日水を交換する場合と週1回の水交換でいい場合の年間の水道代を比較します。

電気代削減＝コスト削減

 水を交換しない分、毎回チラーで冷却する必要がなくなります。

ろ過装置を導入することで、電気代も効率よく削減可能です。

先ほどと同じく、2,000リットルの容量の水風呂を使うとして、毎日水を交換する場合と週1回の水交換でいい場合の年間の電気代（チラーによる冷却費用）を比較します。

清掃頻度減＝コスト削減

毎日水を入れ替える場合、そのたびに浴槽の清掃が必要になりますが、ろ過装置があればそれも週1回で済みます。

これにより、清掃スタッフの人件費や作業時間も削減できます。

ここでは、1人のスタッフが浴槽清掃を行い、作業時間が1時間、時給が1,000円の場合を想定して比較します。

公衆浴場法で求められる水質基準をクリア

ろ過装置は、公衆浴場法で求められる以下の基準をクリアするための大きな助けとなります。

• 濁度(水の透明度)：2度以下
• 色度(水の色の度合い)：5度以下
• レジオネラ菌：10CFU/100ml未満
• 塩素濃度：0.4～1.0mg/L（細菌の増殖防止）
• pH：5.8～8.6の適正範囲

レジオネラ菌や細菌繁殖の防止

サウナ施設の運営でもっとも気を付けなければならないことの一つが、レジオネラ菌や細菌繁殖の防止です。

水風呂で増殖したレジオネラ菌は、細かい水滴を介して吸い込まれると「レジオネラ症」を引き起こします。

この感染症は高熱や肺炎を伴い、重症化すると致死率が15～30％にも達します。特に免疫力の弱い高齢者や幼児は重症化のリスクが高いため注意が必要です。

利用者の安全確保のため、細菌繁殖の抑制は避けられない課題です。

レジオネラ菌の繁殖を防ぐための主要な対策として「塩素注入」があります。

自動塩素注入機能を付けることで、塩素を一定濃度（推奨濃度：0.4～1.0mg/L）に保ち、細菌を効果的に抑制できます。

【塩素薬注機画像】

多くの温浴施設では、ろ過装置と自動塩素注入装置を組み合わせて導入しており、安全性の向上に役立てています。

万が一レジオネラ菌が検出された場合の対応

レジオネラ菌が検出された場合、以下の対応が求められます。

1. 浴槽の使用中止：速やかに該当する浴槽の利用を停止。
2. 原因究明：衛生管理体制の不備を点検し、原因を調査。
3. 改善措置：配管の洗浄や設備のメンテナンスを実施。
4. 再検査：改善後に再度水質検査を行い、菌が検出されないことを確認。

レジオネラ菌の検出は保健所への報告義務があり、再発が続く場合は休館や営業停止命令が下される可能性もあります。

水風呂にろ過装置を導入するデメリットと解決策

ろ過装置を導入するデメリットとしては、以下の3点が挙げられます。

• 導入費用がかかる
• 場所をとる
• メンテナンスが必要

導入費用がかかる

ろ過装置の初期費用の相場は、100～500万。

ろ過装置なしで毎日水を替え清掃する場合の電気代・水道代・人件費を考えれば、平均5年ほどで初期費用を回収できます。

高額ですが、ろ過装置は15年～20年使い続けることができますので、長期的に見ればコスパがいい選択肢と言えます。

以下のグラフは、2,000リットルの水風呂に300万円のろ過装置を導入した場合と、導入しない場合の累計コストを比較したものです。

場所をとる

ろ過装置は、一般的にチラーの循環系統に設置します。

屋内、屋外のそれぞれで設置できるモデルがありますので、設置可能なスペースを検討してみましょう。

カートリッジ式のろ過装置であればコンパクトで、省スペース設計なので安心です。

メンテナンスが必要

ろ過装置のメンテナンスは定期的に必要です。

ただ、毎日メンテナンスが必要なものではなく、たとえばカートリッジ式のろ過装置であればフィルター交換は基本的には半年に1回程度で済みます。

製品によってメンテナンス方法が異なりますので、購入時には運用の負担も考えて選択しましょう。

家庭用・事業用ろ過装置の選び方は、水風呂用ろ過装置の選び方と公衆浴場法対応、ランニングコスト・初期費用を解説をご覧ください。

家庭用水風呂×ろ過装置で施設クオリティを実現

家庭に水風呂を設置する際、ろ過装置を導入することで「いつでも清潔&快適な水風呂」を実現できます。

日々のメンテナンス負担を軽減しながら、サウナ施設のような理想的な環境を維持できる点が大きな魅力です。

家庭用水風呂にろ過装置を導入するメリット

業務用水風呂では法律によりろ過装置導入が必須になる場合がありますが、家庭用の場合でもろ過装置を導入することで得られるメリットは大きいです。

以下に、おもなメリットをまとめます。

①常に清潔で快適な水質に

ろ過装置を使用することで、水の透明度を保ち、衛生的な状態を維持できます。

定期的な水の入れ替えが不要になり、いつでも快適な水風呂を楽しめます。

②チラーとの併用で安定した低温を維持

水を循環させながら冷却することで、常に一定の低温を維持し、いつ入っても適切な温度の水風呂を体感できます。

③コストとメンテナンスの手間を削減

ろ過装置があれば水の入れ替え頻度が減るので、毎日の水の入れ替えや冷却にかかる水道代・電気代を抑え、清掃作業の負担も軽減できます。

特に水量の多い浴槽や15℃以下の低温を維持したい場合では、大幅なコスト削減につながります。

④自宅で施設レベルの「ととのい」を実現

いつでも好きなタイミングで最適な水風呂に入れるため、サウナ後のクールダウンがより効果的になり、リフレッシュの質が向上します。

家庭でも本格的なサウナ体験を求める方にとって、ろ過装置の導入は快適性と効率を兼ね備えた選択肢となります。

家庭用水風呂×ろ過装置の導入事例

導入した商品：1人用水風呂・チラー・ろ過装置

沖縄県の新築民泊施設に、チラー付き水風呂とろ過装置を導入しました。

ろ過装置を活用することで、不純物を除去し、清潔な水を維持しながら水の入れ替え頻度を抑えることが可能になっています。

チラーとの組み合わせにより、常に一定の低温を保ち、夏場でも快適な水風呂実現しました。

浴槽にはホーロー加工の鋳物浴槽を採用し、耐久性も向上させています。

このようなろ過システムは家庭用水風呂にも設置可能で、維持管理の手間を減らしながら、いつでも冷たく清潔な水を楽しめる環境を実現します。

YouTubeでもこちらの事例を紹介しました。

>>この導入事例をもっと見る。

サウナ施設へのろ過装置導入なら「水風呂・チラードットコム」まで

この記事で、ろ過装置は衛生管理やコスト削減、利用者の安全確保に欠かせない設備であることがお分かりいただけたでしょうか。

チラー・ろ過装置導入なら「水風呂・チラードットコム」にお任せください！

創業40年、100件以上の実績を誇る当社は、サウナ施設やご家庭、民泊、リフォーム案件まで、小～中規模施設のサポートを多数手掛けています。※協力企業の実績を含みます。

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参考記事：「レジオネラ症」厚生労働省（最終アクセス日:2024/12/6）