「サウナで体重減」は危険な勘違い?若年男性45人の研究でわかった実態
- 2025年6月12日

「サウナに入ると痩せるって本当?」そんな疑問に答える研究が登場しました。
90℃の高温サウナに入るだけで、10分間に最大130kcal以上も消費され、体重も約0.65kg減少するというデータが明らかになったのです。
ただし注意点もあります。
研究により、サウナは体脂肪が多い人ほど心臓や血管への負担が大きく、痩せやすい反面、リスクも高まることがわかりました。
本記事では、国際論文の内容をもとに、サウナの健康効果についてデータとともに解説します。
目次
調査の概要
この論文は、サウナ中の生理的変化と体型・体組成との関係性をまとめた実験研究です。
20歳前後の運動習慣のない若年男性を対象にしたドライサウナ利用中の変化を調べた結果がまとめられています。
この研究では、90℃のドライサウナに10分×4セット(間に5分の冷却休憩)入るという条件で、心拍数・血圧・エネルギー消費・体重減少などが分析されました。
項目 | 内容例 |
---|---|
タイトル | Correlations between Repeated Use of Dry Sauna for 4 x 10 Minutes, Physiological Parameters, Anthropometric Features, and Body Composition in Young Sedentary and Overweight Men: Health Implications (若年の運動習慣のない過体重男性における、10分×4回のドライサウナ繰り返し使用と生理的指標・体格・体組成の関連性:健康への示唆) |
著者・研究機関 | Robert Podstawskiら(ポーランド・ウォルミア・マズールィ大学) |
発表年 | 2019年 |
出典 | International Journal of Environmental Research and Public Health |
論文リンク | https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30800676/ |
主な調査結果
\調査結果をまとめると…/
- 10分×4回のサウナで平均0.65kgの体重が減少(主に汗)
- 心拍数は最大で144bpmに達し、身体への負荷が増大
- 血圧も上昇し、肥満度が高い人ほどリスクが大きい
- エネルギー消費は1回目:73kcal → 4回目:131kcalへ増加
短時間でも大きな心拍数・血圧変化
1回目の平均心拍数は98bpmでしたが、4回目には133bpmに上昇。
最高で160bpm近くまで達した人もおり、サウナは軽い運動レベルの心拍負荷を引き起こすことが分かりました。
また、血圧も徐々に上がり、最終セッションでは140/94mmHgとステージ1高血圧相当になる人もいました。
太っている人ほど心臓や血管に負担がかかる
体重・BMI・体脂肪率が高い人ほど、心拍や血圧の上昇が大きく、消費カロリーも多いという結果に。
つまり、肥満傾向のある人はサウナでの心臓負荷が高くなりやすいことが明らかになりました。
水分喪失は平均0.65kg
汗によって平均0.65kg(=約650ml)の水分が失われました。
これは短時間の運動に匹敵する量で、水分補給が非常に重要であることを示しています。
結論
この論文は、若くて太り気味・運動不足の人が高温サウナに入ると、心拍・血圧・水分損失に大きな変化が出ることを明らかにしました。
特に肥満傾向のある人ほど、身体への負担が大きいため、サウナの利用には注意が必要です。
一方で、サウナによるカロリー消費や代謝の活性化という効果も確認されており、正しく使えば健康に役立つこともわかります。
関連文献:
痩せ型と太り気味、サウナでの発汗量はどう違うのか|体格別・発汗量の実験結果
赤外線・対流式サウナが眼球に与える熱的影響を数値解析した研究を解説
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