サウナ死亡者の7割超が飲酒後・酩酊状態|韓国の103の死亡例を分析した研究
- 2025年6月12日

「お酒を飲んだ後にサウナに入る」
日本でもよくあるこの習慣が、実は命に関わる危険をはらんでいることをご存じでしょうか?
韓国の全国規模の調査により、サウナでの死亡とアルコールの関係が明らかになりました。
特に血中アルコール濃度が高かった人には、共通した特徴が見られたのです。
本記事では、韓国の全国的な法医学調査論文で発表された103件の死因分析をもとに、アルコール摂取とサウナ死亡の関係性について解説します。
目次
調査の概要
この論文は、韓国におけるサウナでの死亡例を血中アルコール濃度別に分析し、死因や身体的特徴を比較した法医学的研究です。
2008年〜2015年に韓国国内でサウナ内で亡くなった103人を対象とした、全国規模の解剖データ分析です。
この研究では、血中アルコール濃度(BAC)を基準に、「非酩酊群(BAC < 0.08%)」と「酩酊群(BAC ≥ 0.08%)」に分類し、性別・姿勢・内臓疾患などの法医学的特徴を比較しました。
項目 | 内容例 |
---|---|
タイトル | Characteristics of sauna deaths in Korea in relation to different blood alcohol concentrations (韓国におけるサウナでの死亡の特徴と血中アルコール濃度の関係) |
著者・研究機関 | Kyung-Moo Yang ら、韓国国立科学捜査研究所 |
発表年 | 2018年 |
出典 | Medicine (Baltimore) |
論文リンク | https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6097023/ |
主な調査結果
\調査結果をまとめると…/
- サウナ死亡者のうち約74%が、血中アルコール濃度0.08%以上の「酩酊状態」だった
- 酩酊群では、男性でうつ伏せの姿勢で死亡していた割合が有意に高かった
サウナ死亡の約8割が飲酒後に発生
2008〜2015年の間に記録されたサウナ死亡103例のうち、78.6%の遺体からアルコールが検出され、そのうち73.8%が「血中アルコール濃度0.08%以上の酩酊状態」でした。
特に男性の死亡者が多く、アルコールとの関係が深いことが分かりました。

青い線(Total):その年のサウナ死亡者全体の件数
赤い線(Women):そのうちの女性の死亡者件数
全体に占める割合は非常に低く、サウナ死亡者の大半が男性であることを示しています。
酩酊状態だと「うつ伏せ死亡」が顕著に多い
血中アルコール濃度が高かった人ほど、発見時にうつ伏せの姿勢だった割合が高く、これは呼吸機能に悪影響を与えた可能性があると指摘されています。
実際に、酩酊群でうつ伏せ死亡だった人の割合は46.1%に達していました。
心疾患・肥満・肝疾患などとの明確な関係は見られず
死亡者の中には冠動脈硬化や脂肪肝などの持病を持つ人もいましたが、アルコールによる酩酊と比べて統計的に有意な関連は確認されませんでした。
結論
この論文は、韓国におけるサウナ死亡103例を対象に、血中アルコール濃度に応じた法医学的特徴を分析した研究です。
調査の結果、サウナ死亡者の大多数が酩酊状態にあり、特に男性やうつ伏せ姿勢での死亡が顕著であることが判明しました。
心疾患などの内因的要因よりも、アルコールの関与が大きなリスクであることが示唆され、飲酒後のサウナ利用には注意が必要です。
関連文献:
「サウナで体重減」は危険な勘違い?若年男性45人の研究でわかった実態
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