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週4回以上のサウナで精神疾患リスクが77%低下|フィンランドの25年追跡研究

  • 2025年6月12日

サウナ浴が心身の健康に良い影響を与えることは多くの研究で示されていますが、「精神疾患との関連」はあまり明らかにされていません。

今回紹介するのは、フィンランドの中年男性を対象に、サウナの利用頻度と統合失調症などの精神疾患(=精神病)リスクの関係を20年以上にわたり追跡した大規模コホート研究※です。

※「コホート研究」とは、ある特定の集団(コホート)を一定期間にわたって追跡し、特定の要因(例:生活習慣、環境、治療など)と病気や健康状態の発症との関係を調べる疫学的な研究手法。

調査の概要

この研究は、フィンランドの「Kuopio Ischemic Heart Disease(KIHD)」研究の一環として、42〜61歳の男性2,138人を対象に実施されました。

参加者にはサウナの頻度(週1回/2〜3回/4〜7回)をアンケートで回答してもらい、精神病の発症については24.9年間の追跡調査を通じて、病院の診断記録と照合して評価されました。

項目内容例
タイトルSauna Bathing and Risk of Psychotic Disorders: A Prospective Cohort Study
(サウナ入浴と精神疾患リスク:前向きコホート研究)
著者・研究機関Tanjaniina Laukkanen, Jari A. Laukkanen, Setor K. Kunutsor
(University of Eastern Finlandほか)
発表年2018年
出典Medical Principles and Practice, 27(6):562–569
論文リンクhttps://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6422146/

主な調査結果

\調査結果をまとめると…/

週4回以上のサウナ習慣で、精神病のリスクは約77〜79%低下。
年齢や持病などの影響を除いても一貫した結果で、サウナの温度や時間を調整しても効果は変わりませんでした。

サウナの頻度と精神病リスク

以下は、サウナの利用頻度と精神病の累積発症リスクの関係を示したグラフです。

縦軸(Y軸):精神病の累積発症リスク
横軸(X軸):追跡期間(年)

色分けされた3本の線:
青(Once):サウナ週1回の人
赤(2–3):サウナ週2〜3回の人
緑(4–7):サウナ週4〜7回の人

▶ サウナ頻度によるグループ間で有意な差があることを示しています(統計的に有意な違いがある)。

週に4回以上サウナを利用している人は、週1回以下の人に比べて精神病の発症リスクが約77%低いことが明らかになりました。

年齢や喫煙習慣、既往歴といった他の要因を調整しても、この関係は有意に続いており、頻繁なサウナ利用が精神病の予防に寄与する可能性が示されています。

サウナのリラックス効果が影響か?

サウナ浴には、ストレスホルモンであるコルチゾールを減少させる効果があり、リラックスや気分改善といった心理的メリットが知られています。

また、酸化ストレスの軽減効果も報告されており、こうした生理・心理的作用が、精神病リスクの低下につながっていると考えられます。

精神病の発症は長期追跡で確認

研究はおよそ25年間という長期にわたって行われ、対象者のうち203人が精神病を発症しました。

診断には国際的な疾病分類(ICD)と病院の診療記録が用いられ、信頼性の高いデータが集められています。

注意点・限界

この研究の対象はフィンランドの中年男性に限定されており、他の人種や女性への一般化には注意が必要です。

また、精神病に影響する可能性のある遺伝要因や薬物使用歴などのデータは含まれていません。

さらに、サウナの利用頻度は調査時の自己申告に基づくため、時間の経過による変化は考慮されていない点も留意すべきです。

結論

この研究は、サウナ浴の頻度が高い人ほど、将来的な精神病のリスクが大きく低下することを示した初の前向きコホート研究です。

特に、週に4回以上の利用が有効とされており、精神的健康を維持するうえで、サウナが生活習慣として有用である可能性が示唆されます。

関連文献:

サウナと健康寿命|心疾患・認知症・免疫への効果を示したフィンランドの研究

サウナ入浴の健康への影響とリスクを研究論文をもとに解説

※本ページの内容はページ内にあるソースの学術文献等を、一部翻訳機能等を活用して弊社にて独自に翻訳・要約したものです。詳細は参照元の文献をご参照ください。

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