サウナの健康メリットとリスクの全体像とは?医療論文から解説
- 2025年6月12日

サウナには「健康に良い」というイメージがありますが、一方で「心臓に負担がかかるのでは?」と不安を感じる方もいるのではないでしょうか。
本記事では、サウナの健康効果とリスクの両面を解説した論文「Benefits and risks of sauna bathing」の内容をもとに、正しい理解と活用法をご紹介します。
目次
調査の概要
この論文は、サウナ入浴の生理学的影響と健康リスクをまとめた総説論文(レビュー)です。
健康な成人および心疾患患者など一部疾患を抱える人々を対象に、既存研究の結果がまとめられています。
この研究では、急性および慢性的な健康への影響、適応症・禁忌、注意点などが幅広く分析されました。
項目 | 内容例 |
---|---|
タイトル | Benefits and risks of sauna bathing |
著者・研究機関 | M L Hannuksela, S Ellahham |
発表年 | 2001年 |
出典 | The American Journal of Medicine |
論文リンク | https://doi.org/10.1016/s0002-9343(00)00671-9 |
主な調査結果
\調査結果をまとめると…/
多くの人にとってサウナは安全であり、特定の症状改善にも効果が期待できる一方で、重度の心疾患やアルコール摂取との併用には注意が必要です。
多くの人にとってサウナは安全で有益
健康な大人や子どもにとって、サウナは急性の循環・ホルモン変化を引き起こすものの、一般的には安全とされ、妊婦や皮膚の乾燥が気になる方にも使える可能性があります。
高血圧・心不全・呼吸器・関節疾患にも効果が
一部の研究では、
- 高血圧の改善や心不全患者の心機能の向上
- 喘息や慢性気管支炎の軽減
- リウマチ患者の関節可動性や痛みの軽減
にも効果が報告されています。
ただし、十分なエビデンスの蓄積は今後の課題とされています。
注意が必要なケース
不安定狭心症・心筋梗塞直後・重度の大動脈弁狭窄といった急性心疾患を持つ方にはサウナ浴は禁忌とされます。
また、サウナ中のアルコール摂取は血圧低下や不整脈、突然死のリスクを高めるため避けるべきと明記されています。
結論
この論文は、サウナが多くの人にとって安全で、健康面でも有益な可能性があることを示すとともに、一部の人には禁忌となるリスクや注意点も明確に整理した貴重なレビューです。
今後も、より精密な臨床研究を通じて、具体的な効果や適切な利用法がさらに明らかになることが期待されます。
関連文献:
サウナと健康寿命|心疾患・認知症・免疫への効果を示したフィンランドの研究
ドライサウナとスチームサウナ、体への負担が大きいのはどっち?|ポーランドの研究をもとに解説
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