サウナ中は軽い運動と同じ心臓負荷|血圧・心拍数の変化を実測したドイツの研究
- 2025年6月12日

「サウナはリラックスできる」と言われていますが、実際に体にはどのような影響があるのでしょうか?
特に、心臓や血圧への影響が気になる方も多いかもしれません。
本記事では、サウナ中と運動中の心拍・血圧の変化を比較した論文の内容をもとに、サウナによる心臓への負荷や健康効果をわかりやすく解説します。
目次
調査の概要
この論文は、サウナ入浴中および入浴後の心拍数・血圧の変化を、運動時のそれと比較した臨床研究です。
19人の健康な成人ボランティアを対象とした実験データに基づいています。
この研究では、25分間のサウナ入浴(93℃)とその後の30分間の休憩を経て、心拍数と血圧の変化を測定し、運動負荷試験(60〜100W相当)と比較することで心臓への影響を分析しました。
項目 | 内容例 |
---|---|
タイトル | The blood pressure and heart rate during sauna bath correspond to cardiac responses during submaximal dynamic exercise (サウナ入浴中の血圧と心拍数は準最大動的運動時の心臓反応に一致する) |
著者・研究機関 | S. Ketelhut, R.G. Ketelhut(ベルリン医療センターなど) |
発表年 | 2019年 |
出典 | Complementary Therapies in Medicine |
論文リンク | https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S096522991930473X |
要旨 |
主な調査結果
\調査結果をまとめると…/
- サウナ中の血圧と心拍数は運動時と同様に上昇し、入浴後は大きく低下。
- サウナは、中程度の有酸素運動に匹敵する負荷を心臓に与えることが示された。
サウナ中は中程度の運動と同等の心臓負荷
サウナ中の血圧と心拍数の上昇は、軽めの有酸素運動(エアロバイク 60〜100W相当)とほぼ同じレベルで、心筋の酸素消費量(systolic BP × HR)も大きく増加しました。
サウナ後は血圧がベースラインよりも低下
入浴後30分間の休憩中、血圧は元の値よりも有意に低下し、心臓へのリラックス効果が確認されました。
結論
この論文は、サウナが一時的には中程度の運動と同じくらい心臓に負荷をかける一方で、入浴後には血圧が下がるなど心血管系に良い効果をもたらす可能性があることを示しています。
特に健康な人にとっては、サウナは軽い運動と同じような健康習慣として取り入れる価値があるといえそうです。
参考文献:
サウナで血管の柔軟性が向上|フィンランド研究でわかった血圧・心臓への効果
運動後のサウナ習慣で持久力アップ、3週間で疲れにくい体に|中距離ランナーを対象とした実証研究
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