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赤外線サウナ後、血糖値が上昇|2型糖尿病の食後血糖を検証した実証研究

  • 2025年6月12日

「サウナが血糖値改善に効くらしい」と聞いたことはありませんか?

一部の研究では、熱によるストレスが運動に似た生理的反応を引き起こすことが報告されています。
特に、赤外線サウナは深部体温を効率よく上げられるとして注目されてきました。

しかし、本当に効果はあるのでしょうか?
今回紹介するのは、2型糖尿病患者を対象に行われた最新の臨床試験の内容をもとに解説します。

調査の概要

この論文は、赤外線サウナが2型糖尿病患者の食後血糖値に与える影響を検証したランダム化クロスオーバー試験です。

12人の2型糖尿病患者(平均年齢69歳)を対象とした、赤外線サウナ入浴後の糖負荷試験(OGTT)の結果です。

この研究では、参加者が赤外線サウナ(60℃)に40分間入浴した場合と、通常の室温(21℃)で安静にした場合とで、血糖値とインスリンの反応を比較しました。

項目内容例
タイトルA Single Sauna Session Does Not Improve Postprandial Blood Glucose Handling in Individuals with Type 2 Diabetes Mellitus
(2型糖尿病患者における1回のサウナセッションは食後血糖コントロールを改善しない)
著者・研究機関Laura Schenaarts ほか、Maastricht University(オランダ)
発表年2024年
出典Experimental and Clinical Endocrinology & Diabetes
論文リンクhttps://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39209309/

主な調査結果

\調査結果をまとめると…/

  • 赤外線サウナ入浴後の糖負荷試験では、血糖値がむしろ上昇。
  • インスリン反応やインスリン感受性の改善は見られなかった。
  • 単回のサウナ入浴では食後血糖の改善効果は期待できない。

赤外線サウナ後の血糖値は上昇

サウナ後のOGTTでは、血糖値が通常よりも高く上昇しました。

特に血糖の上昇面積(iAUC)は、通常条件より有意に大きく、血糖コントロールの改善どころか悪化している可能性も示唆されました。

図:赤外線サウナ(HOT)後は、食後の血糖値(a)が通常条件(CON)よりも高く推移し、血糖上昇量(b)も有意に増加していた。
一方、インスリン値(c, d)には有意差が見られなかった。

インスリン感受性や分泌量には変化なし

サウナ入浴後と通常条件で、インスリンの分泌量およびインスリン感受性指数(Matsuda Index、HIRI、MISI)に有意差は見られませんでした。

つまり、血糖値が上がっても、それを補うインスリン反応の改善は起きていなかったという結果です。

心拍数・体温・ストレスホルモンは上昇

赤外線サウナにより心拍数と体温は上昇し、ノルアドレナリンやコルチゾールなどのストレスホルモンも増加しました。

これが血糖値上昇の一因である可能性が指摘されています。

図:赤外線サウナ後は、ストレスホルモンであるノルアドレナリン(a)およびコルチゾール(b)が一時的に有意に上昇。これらのホルモンは血糖値の上昇にも関与するとされる。

結論

この論文は、「赤外線サウナに1回入っただけでは、2型糖尿病の食後血糖値は改善しない」ということを示しました。

むしろ、一時的に血糖値が上がる傾向が見られた点は、注意が必要です。

一方で、著者らは「長期的な繰り返しによる赤外線サウナの影響は今後検討の余地がある」と述べており、今後の研究が期待されます。

関連文献:

サウナ死亡者の7割超が飲酒後・酩酊状態|韓国の103の死亡例を分析した研究

サウナの健康メリットとリスクの全体像とは?医療論文から解説

※本ページの内容はページ内にあるソースの学術文献等を、一部翻訳機能等を活用して弊社にて独自に翻訳・要約したものです。詳細は参照元の文献をご参照ください。

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