サウナを建てる前に必読!建築基準法の適用範囲と建築確認の申請要否をスッキリ解説
- 2024年10月4日
個人用や事業用でサウナを設置しようと思った時、
「建築基準法って関係あるの?」
「建築確認申請が必要なの?」
と不安になることもありますよね。
この記事では、70社以上のサウナ関連商品を取り扱い、法人・個人のサウナ導入サポートを行ってきた“サウナの専門商社”が、サウナ設置時の建築基準法や建築確認申請の要否について、わかりやすく解説します!
先に結論をお伝えすると、サウナを設置する際に建築確認申請が必要かどうかは、サウナの種類や設置場所、サウナ室の面積、用途変更の有無によって異ります。
特に、屋外サウナの新築や面積が10㎡以上の増築は基本的に建築確認が必要で、地域区分(防火地域など)によっても規制が変わるため、事前にしっかり確認することが大切です。
この記事を読めば、サウナを安全に設置するために必要な知識が身につき、安心して自宅や施設でサウナライフを楽しむことができるでしょう!
目次
建築基準法における「建築確認申請」とは?
「建築確認申請」とは、建物の計画が建築基準法に適合しているかどうかを確認し、許可を得るための手続きです。
この手続きを行うことで、安全で環境に配慮された建物が作られることが保証されます。
サウナを自宅や商業施設に設置する場合、特にサウナを新たに建てたり大規模な改修を行う際には、この建築確認申請が必要です。
具体的には、建築主(建物を建てる人)が、設計図や計画概要書などの書類を自治体や指定された検査機関に提出し、審査を受けます。
この審査に合格してはじめて、サウナの建築や改修工事を始めることができるのです。
【結論】家庭用サウナでも建築確認申請が必要な場合がある!
屋外にサウナを設置する場合、基本的には建築確認申請が必要となります。
ただし、申請の要否は
- サウナが「建築物」として建築基準法に該当するか
- サウナの設置場所が屋内なのか屋外なのか
- 設置場所の地域が、防火地域や準防火地域、法22条区域といった規制のあるエリアかどうか
- サウナ室の面積や、建物の用途変更があるかどうか
という条件によって変わますので、サウナの構造や設置場所の要件を把握することが重要になります。
新築の場合は基本的に申請が必要ですが、増築の場合には不要な場合もあります。
家庭用/業務用サウナの建築確認申請の必要性
前提として、家庭用サウナが「建築物」に該当し建築確認が必要となるかは各自治体により異なりますので、国土交通省管轄の建築主事または指定確認検査機関に確認しましょう。
建築確認申請の要否を判断するうえでまず重要になるのが、あなたが設置しようとしているバレルサウナが、建築基準法における「建築物」の定義を満たしているか否かです。
「建築物」の定義は、以下の通り。
建築物
土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)引用元:建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)
つまり、建築基準法では
- 地面にしっかりと固定されている
- 屋根や柱、壁がある
という2つの条件を満たす構造物を建築物と定義しています。
通常屋外用サウナやバレルサウナはコンクリートやブロック、ウッドデッキなどの基礎の上に置く形で設置されるため、地面に定着させることはしません。
そのため、多くのサウナは「地面にしっかりと固定されている」の条件を満たさず建築基準法において建築物に該当しない場合が多いです。
この場合、建築確認申請は不要となります。
ただし、サウナを建築物として扱うかは自治体によって判断が異なりますので、この点についてはご自身で判断せずに、管轄の建築主事や民間の指定確認検査機関に確認することをおすすめします。
次に重要になるのが、都市計画法でのエリア区分です。
都市計画法では、火災時の延焼を防ぐため地域により
- 防火地域
- 準防火地域
- 法22条区域
のいずれかに指定されている場合があります。
「防火地域」「準防火地域」では、建物の耐火性に関して厳しい基準が求められます。
「法22条区域」は、都市計画法によって定められたエリアで、市街地の整備や環境保護を目的としています。
最初に建てる場所の都市計画法上のエリア区分を把握したうえで、以下の3つのポイントを確認し、建築確認申請の要否を判断していきましょう。
- 新築の場合、設置場所が屋外か屋内か
- 増築の場合、サウナ室の体積は10㎡未満か以上か
- 用途変更の有無と延べ床面積
ポイント①新築の場合、設置場所が屋外か屋内か
屋外にサウナを新築する場合は、いずれの区域の場合も建築確認が必要になります。
とはいえ、多くの場合サウナは物件がすでにある庭や敷地に増築という形で設置することが多いので、このルールに従って建築確認が必要になるケースは少ないでしょう。
また、屋内にサウナを新築する場合は基本的に建築確認は不要です。
設置場所 | 条件 | 防火地域・準防火地域 | 法22条区域 | 左記以外の区域 |
屋外 | 新築 | 必要 | 必要 | 必要 |
屋内 | 新築 | 不要 | 不要 | 不要 |
ポイント②増築の場合、サウナ室の面積は10㎡未満か以上か
増築の場合はサウナ室が10㎡未満であれば、基本的には建築確認は不要です。
家庭用サウナの場合、ほとんどの場合床面積が10㎡を超えることはありません。
ただし、例外として防火地域・準防火地域では10㎡未満でも建築確認が必要になります。
また、サウナ室が10㎡以上になる場合は、いずれの区域でも建築確認が必要です。
設置場所 | 条件 | 防火地域・準防火地域 | 法22条区域 | 左記以外の区域 |
屋外 | サウナ室が10㎡未満かつ増築 | 必要 | 不要 | 不要 |
屋外 | サウナ室が10㎡以上かつ増築 | 必要 | 必要 | 必要 |
増設の場合は、
- サウナを設置したい場所の都市計画法上での区域
- サウナ室の面積は10㎡未満か
を確認しましょう。
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ポイント③用途変更の有無と延べ床面積
所有している建物の用途変更をする場合は、屋内・屋外問わず、用途変更が必要になる場合があります。
用途変更とは、建物の使用目的を変えることを指します。
- もともと個人用として使っていた家庭用サウナを、事業用サウナとして使用する場合。
- 個人宅内の一室をリフォームして、サウナとして使用する場合。
- 既存の倉庫や車庫などの非居住用建築物を、サウナに改装する場合。
などの場合が用途変更にあたります。
ただし、用途変更をする場合で建築確認が必要なのは延べ床面積200㎡以上になる場合のみです。
設置場所 | 条件 | 防火地域・準防火地域 | 法22条区域 | 左記以外の区域 |
屋内・屋外 | 用途変更しない | 不要 | 不要 | 不要 |
用途変更かつ延べ床面積200㎡以下 | 不要 | 不要 | 不要 | |
用途変更かつ延べ床面積200㎡以上 | 必要 | 必要 | 必要 |
ここまでに解説した、家庭用/業務用サウナにおいて建築確認申請が必要な条件をまとめると、以下の表のようになります。
設置場所 | 条件 | 防火地域・準防火地域 | 法22条区域 | 左記以外の区域 |
屋外 | サウナ室を新築で建てる | 必要 | 必要 | 必要 |
サウナ室が10㎡未満かつ増設 | 必要 | 不要 | 不要 | |
サウナ室が10㎡以上かつ増設 | 必要 | 必要 | 必要 | |
屋内・屋外 | 用途変更しない | 不要 | 不要 | 不要 |
用途変更かつ延べ床面積200㎡以下 | 不要 | 不要 | 不要 | |
用途変更かつ延べ床面積200㎡以上 | 必要 | 必要 | 必要 |
サウナの専門商社なら、サウナ導入時の建築確認申請や法律面について相談が可能。
是非お気軽に電話やメール・LINEで相談してみてください。
都市計画法の地域区分により建物の要件も変わる
都市計画法に基づく地域区分は、建物を建てる際のルールを決める上で非常に重要です。
特に、家庭用サウナを新築する場合、サウナを建てる場所によって必要な建築基準が変わります。
建物要件 | 防火地域・準防火地域 | 法22条区域 | 左記以外の区域 |
外壁 | 不燃材 | 不燃材 | 不燃材を使用しなくてもよい |
たとえば、防火地域や準防火地域では火災を防ぐために、建物には高い耐火性能が求められます。
そのため、これらの地域では家庭用サウナを新築する際、不燃材を使うことが義務付けられています。
同じく、法22条区域(市街地の整備や保全を目的とした地域)でも、不燃材を使う必要があります。
一方で、これらの地域以外では不燃材を使わなくても良い場合があります。
ただし、サウナを新築する際は安全性や耐久性、周囲の環境への影響を考え、適切な材料を選ぶことが重要です。
そのため、専門家に相談することをおすすめします。
建築確認の申請方法・必要書類
サウナを建てる前に行う流れは以下の通りです。
- 建築確認申請の申込み
- 自治体による確認後に建築確認済証を交付
- 工事着工
- 建物の完成後に「完了検査」を申請
- 完了検査・検査済証の交付
施工業者によっては、建築確認申請を施主の代わりに行ってくれることもあります。
建築確認申請の必要書類には、次のものがあります。
- 建築確認申請書
- 建築計画概要書
- 委任状
- 建築工事届
- 受付表
- 建築場所に応じた、消防同意用の表紙及び同意用の副本
※その他建築地や計画内容、提出期機関の指定によって、追加で提出書類が必要になる場合があります。詳しくは、自治体もしくは民間の指定確認検査機関にお問い合わせください。
建築確認の費用
建築確認申請にかかる費用は、各自治体の条例や規定によって定められており、地域によって異なります。
たとえば東京都の場合、建築確認申請の手数料は床面積により以下の金額になっています。
床面積の合計 | 基本手数料 | 中間検査手数料 | 完了検査手数料 | 合計 |
30㎡以内 | 5,600円 | 9,900円 | 9,900円 | 25,400円 |
30㎡以上100㎡以内 | 9,400円 | 11,000円 | 11,000円 | 31,400円 |
加えて、必要書類の作成や申請を施工業者に依頼する場合は追加で費用がかかる場合があります。
家庭用サウナの種類と建築確認の有無
ここでは、家庭用サウナの種類ごとの建築確認申請の必要性について解説します。
家庭用サウナには、おもに以下の7種類があります。
屋内用ホームサウナ | 屋外用ホームサウナ | テントサウナ | ミスト・スチームサウナ | バレルサウナ | DIYサウナ小屋 | サウナカー | |
イメージ | |||||||
設置場所 | 屋内 | 屋外 | 屋外 | 屋内 (浴室など) | 屋外 | 屋外 | 屋外 |
建築確認 | 基本的には不要 | 必要な場合がある | 不要 | 基本的には不要 | 必要な場合がある | 必要な場合がある | 不要 |
建築確認の必要性は、設置場所やサウナの大きさ、また法的な地域区分によって異なりますので、サウナを設置する前には関連法規をよく確認することが重要です。
屋内用ホームサウナ
居住スペース内に組み込まれる屋内用ホームサウナは、住宅の一部として日常的に利用されることが多いです。
屋内用ホームサウナは個人利用の場合、建築確認が必要になることは少ないですが、延べ床面積が200㎡以上ある場合で事業用に用途変更する際には必要になります。
屋外用ホームサウナ
屋外用ホームサウナは、庭やバルコニーなど屋外に設置するサウナです。
このタイプでは、新築する場合は面積に関わらず基本的に建築確認が必要になります。
増設の場合は、防火地域・準防火地域以外なら、サウナ室が10㎡以下であれば建築確認不要です。
テントサウナ
テントサウナはテントサウナはその名の通り、テント型の移動可能なサウナで、その設置と撤去の容易さが魅力です。
自宅用サウナとしてはお庭やベランダ、屋上などで利用されますが、テントは建築物としての扱いを受けないため建築確認が不要です。
関連記事:屋上にサウナを設置!メリットや法律面、設置方法、屋上へのサウナ導入事例を解説
ミストサウナ・スチームサウナ
ミストサウナやスチームサウナは、浴室内に機器を設置したり、屋内にサウナ専用ブースを設置して利用します。
個人使用の場合には、建築確認は不要です。
ただし、延べ床面積が200㎡以上で用途変更をする際には、建築確認申請が必要となります。
バレルサウナ
円筒形の外見を持つバレルサウナは、屋外に設置するサウナです。
バレルサウナでも、屋外用ホームサウナと同じ規制が適用されます。
具体的には、新築する場合は面積に関わらず基本的に建築確認が必要になります。
増設の場合は、防火地域・準防火地域以外なら、サウナ室が10㎡以下であれば建築確認不要です。
DIYのサウナ小屋
自分で作るDIYサウナ小屋も屋外用ホームサウナ、バレルサウナと同様の規制が適用されます。
具体的には、新築する場合は面積に関わらず基本的に建築確認が必要になります。
増設の場合は、防火地域・準防火地域以外なら、サウナ室が10㎡以下であれば建築確認不要です。
サウナカー
サウナカーは、車両に設置された移動型サウナです。
サウカナーの場合は建築物とは見なされないため、建築確認は不要です。
建築申請不要・固定資産税もかからない「SAUNA CAR 37」
「SAUNA CAR 37」は、建築確認不要でどこでも本格サウナが楽しめる移動式のサウナカーです。
サウナ部の外装には、耐候性に優れ耐久年数20年以上と言われる“ガルバリウム鋼板”を採用しており、外観の美しさと高い耐久性を兼ね備えています。
サウナ施工40年の経験を持つ職人が作り上げた純日本製のサウナ室は、サウナ専用の国産ヒノキで仕上げられています。
最大5名が同時に使用できる広々とした空間となっていますので、グループでの利用にもぴったりです。
車両とサウナ部は多彩なカラーのカスタマイズが可能ですので、オリジナルサウナカーを造ることもできます。
サウナ部の背面や後ろ面に企業名やサービス名、ロゴを入れて動く広告としても活用できる、「ラッピング」オプションもあります。
SAUNA CAR37はメンテナンスのしやすさも考慮されており、サウナ室の椅子や背もたれは交換可能で、床もすのこをめくって簡単に掃除ができる構造です。
車検時にはジャッキアップやフォークリフトを使って、サウナ部を簡単に取り外せる設計となっています。
中古車でのカスタム制作やイベントでのレンタルにも対応しており、企業の宣伝ツールとしても活用できるため、事業用サウナとしても個人のレジャー用としても、さまざまなシーンで活躍すること間違いなしです。
SAUNA CAR 37公式サイトはこちら➡https://kimoty.com/saunacar37/
そもそも建築基準法とは?
建築基準法は、建物の安全性を確保し、住民の命や財産を守るためのルールを定められた法律です。
建築基準法には、以下のような内容が含まれます。
■用途地域
地域によって建てられる建物の種類が決められており、住宅や商業施設など用途に応じた地域分けがされています。
■建築制限
建物の高さや建築面積の制限、日照権やプライバシーの保護など、他の建物や環境に配慮した建築が求められます。
■耐火性能
火災時の安全を確保するため、建物の材料や構造に関する耐火基準が設けられています。
サウナを含む建築物を計画する際には、法律で定められた基準を満たしていることを証明する必要があり、そのプロセスの一環として前述した建築確認申請が存在するのです。
たとえば、建築基準法では住宅の床の耐荷重は、1平方センチメートルあたり最大180kgまでの重さに耐えられるよう規定されています。
そのため、総重量が180kgを超える屋内用サウナの設置はその基準に反することになります。
このように、家庭用サウナが建築基準法に沿ったものかを確認するために、事前に建築確認申請を提出する必要があるのです。
関連記事:【自宅でサウナ】家庭用サウナは賃貸でも置ける?確認しておくべき設置基準まとめ
その他の知っておくべきサウナに関する法律
家庭用サウナ導入やサウナ事業を始めるにあたって知っておきたい法律には、建築基準法以外にも次の3つがあります。
どんな法律? | 管轄・確認先 | |
公衆浴場法 | 更衣室や男湯・女湯の区分、トイレ設置、衛生面、水の循環 | 厚生労働省管轄の保健所 |
都市計画法 | 都市計画上サウナ開業可能な土地かどうか | 国土交通省管轄の都市計画課 |
消防法 | 避難経路の確保、消火設備 | 総務省消防局管轄の消防署 |
公衆浴場法
公衆浴場法は、サウナをビジネスとして運営する際に守るべき、利用者の健康保持と衛生環境の維持を目的とした法律です。
施設の衛生設備や水質、管理に厳格な基準が設けられ、これらを満たすための許可取得や検査が義務づけられています。
公衆浴場法について、詳しくは事業用サウナと公衆浴場法の関係をご覧ください。
都市計画法
都市計画法は、土地利用の規制を定める法律で、サウナ施設を建てる際はその土地がどのような用途で定められているかを確認し、地域の都市計画に沿った建設が求められます。
たとえば住宅地域では、サウナ施設の営業に制限があるため考慮が必要です。
消防法
消防法は、火災の予防と安全な避難を目的とした法律です。
サウナ施設においては、火災予防対策が不可欠になります。
十分な消火設備の設置や避難経路の整備が要求され、サウナの種類や規模に応じた適切な設備の配置が重要となります。
消防法について、詳しくはバレルサウナを建てる前に確認!消防法・火災予防条例とは?の記事をご覧ください。
上記の法律とサウナの関係については、【完全版】サウナ開業に必要な営業許可まとめの記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
ここまでに解説した建築基準法を含む4つの法律に加えて、建てるサウナが固定資産税の対象となるかという点も、事前に把握しておく必要があります。
家庭用サウナにおいては、屋外に設置されており、かつ固定資産税における「家屋」の3つの定義をすべて満たす場合、固定資産税の支払い義務が発生します。
固定資産税の対象となるサウナの種類や特徴、固定資産税の支払額については、家庭用サウナに固定資産税がかかる?の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
減価償却については、事業用・家庭用サウナの減価償却における耐用年数は?税務署に確認しました!の記事が参考になります。
まとめ
サウナ設置時の建築確認申請の要否は
- サウナの設置場所(屋内用か屋外用か)
- 設置場所の地域区分(防火地域、準防火地域、法22条区域など)
- サウナ室の面積や用途変更の有無
によって異なります。
この記事を通じて、建築確認申請が必要なケースと不要なケースを理解し、スムーズにサウナ設置を進めるための一助となれば幸いです。
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