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屋上にサウナを設置する際に注意すべき法律|屋上サウナのメリットや設置方法、導入事例を解説
- 2024年8月15日
使っていない、あるいは物置になっている屋上があるなら、サウナを設置してリラックス空間にしてしまうのがおすすめです!
自宅の屋上にサウナを導入することで、解放感がある環境でサウナを楽しめるだけでなく、景色を堪能することもできます。
本記事では、屋上にサウナを設置する際のメリット、考慮すべきポイントや法律、具体的な設置方法、そして実際の導入事例を詳しく解説します。
目次
屋上サウナに関連する法律
屋上にも家庭用サウナや業務用サウナは設置可能で、実際に屋上でサウナを楽しんでいる方も多くいますが、安全安心に設置・使用するためには法律の遵守が必須です。
屋上にサウナを設置する際に注意すべき法律には、おもに以下の4つがあります。
どんな法律? | 管轄・確認先 | |
---|---|---|
公衆浴場法 | 更衣室や男湯・女湯の区分、トイレ設置、衛生面、水の循環 | 厚生労働省管轄の保健所 |
消防法 | 避難経路の確保、消火設備 | 総務省消防局管轄の消防署 |
都市計画法 | 都市計画上サウナ開業可能な土地かどうか | 国土交通省管轄の都市計画課 |
建築基準法 | 建物の安全性、建物の利用用途変更の必要性 | 国土交通省管轄の建築主事または指定確認検査機関 |
それぞれについて詳しく解説します。
公衆浴場法
公衆浴場法は、公衆が利用する浴場施設の衛生管理や運営に関する規定を定めた法律です。
この法律は多くの人が利用する事業用サウナ(サウナ施設や銭湯など)に適用されますので、個人が使う家庭用サウナの場合は対象となりません。
商業目的でサウナを運営する場合は、公衆浴場法に基づいて公衆浴場として保健所からの営業許可が必要になります。
公衆浴場法では、水質管理や清掃など、衛生面の基準、適切な換気や排水設備の設置などが定められており、サウナ施設を運営するにはこれらを満たす必要があります。
公衆浴場法については、事業用サウナと公衆浴場法の関係|規制緩和によりサウナを出店しやすくなったって本当?!!で詳しく解説しています。
消防法、火災予防条例
消防法および火災予防条例は、火災の予防や発生時の対策を定めた法律です。
これらの法律では、サウナストーブと可燃物の離隔距離、安全装置の設置、緊急時の避難経路の確保などが規定されています。
ただし、昭和23年に制定された消防法は、最新のサウナ設備には対応していない部分があります。
サウナに対する具体的な基準を理解するためには、各自治体の火災予防条例や公益社団法人日本サウナ・スパ協会が提供する「サウナ設備設置基準」を参考にすることをおすすめします。
サウナ・スパ協会の設置基準は、多くの自治体の消防署でもサウナ設置時の参考にされています。
消防法や火災予防条例について不明点や疑問点がある場合は、設置前にサウナの図面を用意したうえで管轄の消防署へ相談しましょう。
消防法について、詳しくはバレルサウナを建てる前に確認!消防法・火災予防条例とは?の記事をご覧ください。
都市計画法
都市計画法は、都市の土地利用や建物の配置に関するルールを定める法律です。
この法律は、無秩序な都市開発を防ぎ、土地の有効利用を促進することを目的としています。
屋上にサウナを設置する場合、この都市計画法の規制を遵守することが求められます。
たとえば、都市計画法における市街化区域内の「住居専用地域」では、サウナの設置が制限されている場合があります。
都市計画法とサウナの関係については、家庭用サウナ設置前に用途地域を確認!市街化区域・市街化調整区域にサウナは建てられる?の記事が参考になります。
建築基準法
建築基準法は、建物の安全性、耐震性、防火性などに関する規定を定めた法律です。
屋上(屋外)にサウナを設置する場合は、設置するサウナが建築基準法における建築物に該当するか、そして建築確認申請が必要かを確認しましょう。
家庭用サウナが「建築物」に該当し建築確認が必要となるかは各自治体により異なりますので、事前に確認しておきましょう。
サウナ室が10㎡以上の場合は建築確認申請の対象になる可能性が高いので、大きなサウナを設置する際は注意してください。
建築基準法については、【建築基準法】自宅サウナ設置時に建築確認申請は必要?の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
以上の法律について、設置場所の自治体によっても対応が異なりますので、まずは管轄の保健所や消防署、建築審査課などに設置要件を確認しましょう。
サウナの専門商社なら、屋上やベランダに設置する際の許可申請や設置工事・電気工事についてもサポートします。
サウナやストーブ選びについてもサウナのプロがお手伝いさせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。
屋上にサウナを設置するメリット
屋上にサウナを設置するメリットとして、以下の3つが挙げられます。
- スペースを有効活用できる
- 景色や解放感を楽しめる
- 庭よりもプライバシーが守られる
スペースを有効活用できる
屋上にサウナを設置することで、建物の空間を最大限に活用できます。
特に都市部では庭や広い庭園を持つことが難しい場合が多いですが、屋上ならばそのスペースを有効に活用できます。
また、屋上であれば設置や使用に伴う音や蒸気が他の部屋に及ぼす影響を最小限に抑えることができるというメリットもあります。
景色や解放感を楽しめる
屋上サウナの最大の魅力の一つは、素晴らしい景色と解放感です。
都会の夜景や海の眺め、山々の景色など、周囲の美しい風景を楽しむことができ、リラックス効果が高まります。
これは、一般的な室内サウナでは得られない特別な体験となるでしょう。
庭よりもプライバシーが守られる
庭にサウナを設置すると、隣接する建物や通行人からの視線が気になる場合がありますが、屋上であれば高い位置にあるため外部からの視線を遮ることができます。
周りに高い建物がない場所なら、仕切りなどを設置すれば十分にプライバシーを確保できるでしょう。
屋上にサウナを設置するデメリット
- 設置コストが高くなることがある
- 気候がサウナ利用に影響する
- 雨風の影響でサウナが傷みやすくなる
設置コストが高くなることがある
屋上にサウナを設置する際、特別な電気工事や防水対策、基礎工事などが必要になることがあり、これが追加のコストを生む原因となります。
また、資材や設備を屋上まで運び込むための運搬費用もかかり、これらの要因により通常の設置に比べて全体の設置費用が高くなることがあります。
気候がサウナ利用に影響する
屋上サウナは基本的に露天に設置されため、気温や天候の影響を直接受けます。
特に寒冷地や風が強い場所では外気温が低くなることでサウナの温度が下がりやすく、サウナ室内が十分に温まらないこともあります。
夏季には逆に熱くなりすぎる場合もあり、利用時の快適さが気候条件に大きく依存します。
雨風の影響でサウナが傷みやすくなる
屋上サウナは風雨や紫外線に直接さらされるため、通常のサウナよりも早く劣化するリスクがあります。
木材や金属部分が傷みやすく、定期的なメンテナンスや修理が必要になることが多いです。
特に防水対策や防錆対策をしっかり行わないと、サウナの寿命が短くなる可能性があります。
サウナの寿命を伸ばす正しいメンテナンス方法については、家庭用サウナのメンテナンス方法まとめの記事をご覧ください。
屋上に設置できる家庭用サウナの種類
屋上に設置できるサウナには
- 屋外用箱型サウナ
- バレルサウナ
- テントサウナ
の3種類があります。
なかでも、断熱性や耐久性に優れる屋外用箱型サウナがもっともおすすめです。
屋外用箱型サウナ
屋外用箱型サウナは、四角い形状のしっかりとした構造を持つサウナです。
頑丈な作りで壁の中には断熱材や防水シートが貼られており、風雨にも耐えるため屋上での使用にも適しています。
多くの場合、木材で作られており、内装もサウナ施設にあるサウナように快適に設計されています。
また、外装をコンクリートで作られた耐久性抜群の製品もありますので、積雪のある地域などには特におすすめです。
バレルサウナ
バレルサウナは、樽のような円筒形のデザインが特徴です。
この形状により熱が均一に分散し、効率的に温まるという利点があります。
ただしバレルサウナの多くは壁が木一枚で作られており、断熱材や防水シートなどが入っていないため、水分の影響を受け収縮・変形してしまうことがあります。
変形すると隙間風が入ったり雨漏りする場合もあります。
そのためバレルサウナを選ぶ際は、壁が2重、3重構造になっていて木材が収縮しづらい製品を選ぶことをおすすめしています。
関連記事:バレルサウナのデメリット9選
テントサウナ
テントサウナは、軽量で持ち運びが簡単なテント型のサウナです。
キャンプやアウトドアでも使用できるため非常に便利なサウナになっています。
ただし、屋外にテントを張ったままにすると風雨や日光に影響で非常に劣化しやすいため、屋上で使う場合は毎回設営と撤去を行うことをおすすめします。
関連記事:テントサウナを自宅で使う!おすすめメーカーランキングTOP12
屋上で使えるサウナストーブの種類
家庭用サウナや小規模な業務用サウナでは、おもに薪サウナストーブか電気サウナストーブが使われます。
屋上で使う場合はより安全に使用でき、薪を運ぶ手間がない電気ストーブがおすすめです。
ただし、電気ストーブは電気工事や配線工事が必須となります。
電気ストーブを使うために必要な工事については、家庭用サウナ導入に必要な電気工事・配線工事で詳しく解説しています。
屋上に家庭用サウナを設置する方法
屋上に家庭用サウナを設置する手順は、以下の通りです。
①設置場所を決める
サウナの設置場所を検討する際は、屋上の耐荷重を確認し、建築基準法に従っていることを確かめます。
人が立ち入れる屋上では、地震荷重60kg/m²以上、大梁荷重130kg/m²以上、床荷重180kg/m²以上が必要です。
さらに、風通しの良い場所を選びましょう。
②サウナの選定と見積もり
次に、サウナのタイプ(屋外用箱型サウナ、バレルサウナ、テントサウナ)を決定し、気になる製品を比較検討しましょう。
製品を決める際は、メーカーの信頼性やアフター保証も合わせて確認してください。
③設置工事
防水工事や給排水設備、電気配線の工事を行います。
屋上は風雨にさらされるため、防水対策は特に重要です。
電気サウナストーブを使う場合は、専門の電気工事も必要になります。
④サウナ本体を設置
箱型サウナやバレルサウナの場合、資材を屋上まで運んで組み立てを行うケースが多いようです。
サウナストーブやベンチ、内装材を取り付けます。
⑤試運転と調整
サウナが完成したら、機能確認と試運転を行います。
すべての設備が正しく動作するか、実際にサウナに入浴してテストします。
不具合があれば、業者に調整を依頼しましょう。
屋上に家庭用/事業用サウナを設置した事例
屋上にサウナを設置した、屋外用箱型サウナ・バレルサウナ・テントサウナのそれぞれの事例を紹介します。
屋外用箱型サウナ
東京都墨田区の「カプセルイン錦糸町」では、物置として使っていた屋上を改装し、サウナ小屋を設置。
水風呂や外気浴スペースも完備し、スカイツリーを見ながら整える贅沢な空間へと進化させました。
また、埼玉県川口市東川口のカフェ「tere saun」でも屋上にサウナ小屋を設置し、利用者が貸切利用できるようにしています。
屋上に水風呂や冷水シャワーも設置すれば、サウナ→水風呂→外気浴の動線も抜群ですね。
バレルサウナ
屋上やテラスにバレルサウナを設置される方も増えています。
個人宅の場合、奥行き2m程度のモデルが人気です。
大阪の自社ビルの屋上にバレルサウナを設置した事業者の事例でも、利用者にバレルサウナを貸し切りで提供しています。
利用者からは「周りに気を遣わず、家族や友人とサウナを楽しめる」と好評とのこと。
テントサウナ
テントサウナは簡単に設営できることや本体価格が比較的安いことから、個人でも多くの方が屋上で楽しんでいます。
屋上でサウナを設置してみたいけど「高価な据え置き型のサウナは手が出ない…」という方はまずはテントサウナで、その使用感を体感してみるのがおすすめです!
「電気工事はしたくないけど、薪サウナストーブは近隣への影響が心配…」という場合は、
- 一般家庭の100Vコンセントに挿すだけで使える「おうちDEサウナ」
- バイオストーブを使い、煙や一酸化炭素が発生しない「IESAUNA」
がおすすめです。
まとめ
屋上へのサウナ設置にあたっては、法律や建築基準を遵守し、安全性を確保することが重要です。
適切な設置方法を選び、プロの助けを借りて計画を進めることで、素晴らしい屋上サウナライフが実現できるでしょう!
弊社サウナの専門商社では、家庭用/業務用サウナの設置をサウナのプロがトータルサポートいたします。
ぜひオンラインフォームやお電話から、お気軽にお問い合わせください!