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海外製家庭用サウナを日本で使う際は安全性・品質・法律遵守に要注意
- 2024年9月19日
近年、自宅で手軽に楽しめる家庭用サウナの人気が高まり、家庭用や事業用として海外製のサウナを導入する方も増えています。
しかし、海外製のサウナを日本で使用する際には、安全性や品質、法律の面で注意が必要です。
特に日本の電圧に対応しておらずそもそも電源がつかなかったり、電気用品安全法や消防法など、日本特有の規制に対応していないという製品も少なくありません。
この記事では、海外製家庭用サウナを日本で使用する際に気をつけるべきポイントについて詳しく解説します。
目次
【結論】海外製家庭用サウナを日本で使う際の注意点
結論として、海外製の家庭用サウナを日本で使用する際にはいくつかの重要な注意点があります。
まず、安全性が不十分な可能性があります。
また、日本の法令を遵守できないことも考えられます。
さらに、日本の電圧やコンセントの規格に合わず、設置自体が難しい場合もあります。
このため、海外製のサウナを導入したい場合は、個人輸入で購入するのではなく、専門知識を持った国内のサウナ輸入会社や代理店から購入することを強くおすすめします。
以下で、より詳しく解説していきます。
海外製のサウナ室本体の注意点
海外製のサウナ室本体を購入する際には、以下の点に注意が必要です。
- 「サウナ設備設置基準」に適した不燃材やレイアウトで安全に使えるか
- 法規制(消防法・建築基準法など)に適合しているか
- 断熱性や保温性は十分か
- 使用されている木材の品質や耐久性
「サウナ設備設置基準」に適した不燃材やレイアウトで安全に使えるか
海外製のサウナ室を選ぶ際には、公益財団法人サウナ・スパ協会が定める「サウナ設備設置基準」に適した不燃材やレイアウトが採用されているかを確認することが重要です。
この基準では火災のリスクを減少させるため、
- サウナ設備の基本構造
- サウナストーブから天井、壁、床、椅子との離隔距離
- ストーブ周りへの不燃材の使用
- 避難経路の確保
などが定められており、多くの自治体の消防署でもこの基準を参考にサウナ設置可否を検討しています。
日本国内ではこの基準を参考に安全に家庭用サウナを製造・設置すべきですが、海外製のサウナは日本とは異なる基準や法律をもとに製造されている可能性が高いため注意してください。
公益財団法人サウナ・スパ協会「サウナ設備設置基準」については、家庭用サウナは賃貸でも置ける?確認しておくべき設置基準まとめの記事で詳しく解説しています。
法規制(消防法・建築基準法など)に適合しているか
海外製のサウナ室は、日本の法規制、特に消防法・火災予防条例や建築基準法に適合しているかどうかを確認する必要があります。
消防法では、火災の予防や発生時の対策について厳しい基準が設けられており、サウナ室も例外ではありません。
具体的には、サウナストーブから可燃物への離隔距離、安全装置の設置、避難経路の確保などが求められます。
建築基準法についても、建物の構造や用途に応じた技術的基準に適合していることが求められます。
これらの法規制に適合していないサウナ室は、設置自体が認められない可能性があります。
断熱性や保温性は十分か
サウナ室の断熱性や保温性も重要な確認ポイントです。
断熱性が不十分な場合、サウナ内の温度が適切に保たれず、快適なサウナ体験ができません。
特に海外製サウナでよく見るガラス面が大きいサウナ室は、保温性・断熱性が不十分で、全然温まらないという問題が報告されていますので注意が必要です。
このようなサウナは見た目はいいかもしれませんが、温度が上がらなければサウナとして満足に楽しめません。
海外製サウナはサウナ室全体が適切に断熱材で覆われているか、ガラス面が適度な大きさの製品を選ぶことをおすすめします。
使用されている木材の品質や耐久性
サウナ室で使用される木材の品質や耐久性も重要な要素です。
質の高い木材は耐久性があり、長期間使用しても変形や割れが生じにくいです。
また、サウナ内の高温多湿な環境でも、耐久性のある木材は腐食しにくいという特徴があります。
具体的には、ヒノキやスプルースなどの高品質な木材が使用されているかを確認することが大切です。
サウナに向く高品質な木材は、香りが良く、リラックス効果も期待できます。
さらに、木材の加工が丁寧に行われているかも確認し、仕上げの質にも注意を払いましょう。
特に屋外に設置するサウナの場合は木材が風雨の影響を直に受けますので、木材自体の耐久性が高い製品や塗装処理やサーモウッド加工により強度が上げられている製品を選びましょう。
サウナの内装に使われる木材については、サウナ内装の素材選び!美しい見た目や安全性、耐久性を兼ね備えた木材を選ぼうの記事で詳しく解説しています。
サーモウッドについてはサウナにはサーモウッド加工された木材がおすすめ!通常の木材との違いやメリットを解説で解説していますので、深く知りたい方は参考にしてください!
サウナ用木材の種類については、サウナに最適な木材の種類と選び方完全ガイドをご覧ください。
海外製の電気サウナストーブの注意点
海外製の電気サウナストーブを選ぶ際は以下の点をしっかりと確認しておかないと、そもそも日本で使用できなかったり、安全性が保障されないということになってしまいますので要注意です。
- 菱形PSEマーク認証済みか
- 日本の電圧100V/200V対応か
- コンセントが日本の規格に対応しているか
ポイント①菱形PSEマーク認証済みか
海外製の電気サウナストーブを購入する際には、まず「菱形PSEマーク認証」があるかどうかを確認することが重要です。
PSEマークは日本の電気用品安全法に基づいて、日本国内で販売される電気製品の安全性を保証するマークです。
PSEマークが付いている製品は、故障や事故のリスクを防ぐための厳しい検査をクリアしていることを示しています。
PSEマークには特にリスクが高いとされる特定電気用品に付けられる「菱形PSEマーク」と特定電気用品以外の電気用品に付けられる「(丸形)PSEマーク」の2種類があります。
電気サウナストーブは高温を発生させる機器であるため、火災や感電などのリスクが高い特定電気用品に分類され、日本で販売される際は「菱形PSEマーク」の取得が必須となります。
そのため菱形PSEマークのマークがない海外製電気サウナストーブは、違法で販売されている製品であるということを知っておきましょう。
PSEマークについては、PSEマーク未取得の家庭用サウナストーブは危険!アリババでの輸入のポイントや電気サウナバス適合品も解説の記事でも詳しく解説しています。
Amazonなどの大手ECサイトでも、PSEマークなしの違法製品が安価で販売されていることがありますのでご注意ください。
詳しくは、Amazonで買える安いサウナストーブは危険?PSEマークの有無を確認しようの記事で解説しています。
ポイント②日本の電圧100V/200V対応か
次に確認すべきは、電気サウナストーブが日本の電圧である100Vまたは200Vに対応しているかどうかです。
日本の家庭用電気製品は主に100V、業務用や高出力の機器では200Vが使用されますが、海外製品は地域によって電圧が異なります。
国名 | 電圧 |
---|---|
日本 | 単相 100/200V, 三相 200V |
アメリカ | 単相 115/230V, 三相 230V |
韓国 | 単相 220V, 三相 200/220/380V |
中国 | 単相 220V, 三相 380V |
オーストラリア | 単相 240V, 三相 415V |
フィンランド | 単相 230V, 三相 400V |
イギリス | 単相 230V, 三相 400V |
海外の電圧に対応した製品をそのまま日本で使用すると、電力不足によりや過負荷による故障、最悪の場合火災などの重大な事故の原因となります。
したがって、日本の電圧に対応した製品を選ぶことが必須です。
消費電圧の考え方や違いは、【200Vサウナストーブの選び方】単相・三相の違いや100Vとの比較、おすすめ電気ストーブ6選の記事で詳しく解説しています。
サウナストーブ導入時に必要な工事は、家庭用サウナ導入に必要な電気工事・配線工事を徹底解説の記事をご覧ください。
ポイント③コンセントが日本の規格に対応しているか
コンセントに端子を挿すことで起動する製品の場合は、コンセントが日本の規格に対応しているかも確認しましょう。
日本のコンセントの形状は、Aタイプ(平行な2本のピン)が一般的です。
一方、海外では様々な形状のプラグが使われており、そのままでは日本のコンセントに差し込むことができません。
プラグ形状が異なる場合は、変換アダプターやプラグを交換する必要があります。
しかし、これだけではなく製品全体の電気規格や安全性も確認する必要があるため、コンセントの形状だけを変更するのはリスクがあります。
したがって、日本の規格に完全に対応した製品を選ぶか正規の代理店から購入して、適切なプラグとともに安全に使用できることを確認しましょう。
関連記事:日本製の電気サウナストーブを買えるメーカーを紹介|国産と海外産の違い
海外製の薪サウナストーブの注意点
海外製の薪サウナストーブを使用する際には、いくつかの重要な注意点があります。
特に以下の点に注意することが必要です。
- 二重煙突やめがね石の有無
- ストーブ本体の素材の品質
- 木材との距離
二重煙突やめがね石の有無
まず、薪サウナストーブには二重煙突やめがね石といった安全装置が必要です。
二重煙突は、煙突内の高温の煙が周囲の構造物に直接触れないようにすることで、火災のリスクを大幅に減少させます。
また、めがね石は煙突が通る部分に取り付ける防火材で、こちらも火災防止に役立ちます。
これらの装置がない場合は煙突周りの温度が非常に高くなり、周囲の木材が炭化しやすくなるため火災のリスクが高まります。
ストーブ本体の素材の品質
次に、ストーブ本体の素材がしっかりしているかどうかを確認することも重要です。
薪サウナストーブには、おもに「ステンレス」や「鉄」といった材質が使われます。
材質 | ステンレス | 鉄 |
---|---|---|
メリット | ・錆びにくく手入れしやすい ・軽量で取り扱いやすい | ・耐久性が高い ・比較的安価 ・熱伝導が速いため短時間で高温になる |
デメリット | ・温度の上昇に時間がかかる ・比較的高価 ・熱が伝わりづらく温まりにくいことがある | ・錆びやすいためメンテナンスの手間がかかる ・重さがある取り扱いづらい場合がある |
耐熱性が低い素材や薄い金属で作られたストーブは、高温にさらされると変形したり、破損したりする可能性があります。
これは安全性に大きな問題を引き起こし、火災の原因となることがあります。
高品質の素材で作られたストーブを選ぶことが、長期間にわたって安全に使用するための基本です。
木材との距離
薪サウナストーブを設置する際には、ストーブと周囲の木材との距離にも注意が必要です。
特にベンチなどの木材がストーブに近すぎると高温により木材が炭化し、火災のリスクが高まります。
適切な距離を保つためには、サウナストーブの設置マニュアルやサウナスパ協会の「サウナ設備設置基準」などを確認し、必要な間隔を確保することが重要です。
また、不燃材を使用して木材が直接高温にさらされないように工夫することも有効です。
海外製の家庭用サウナはアフター保証がないことも!
海外製の家庭用サウナを購入する際には、まれにアフター保証がない場合があるため注意が必要です。
さらに悪い場合だと、初期不良が発生した場合でも交換や修理をしてもらえないこともあります。
一方、国内メーカーのサウナ製品では通常1~2年の保証が付いており、初期不良や故障が発生した際の対応がしっかりしています。
購入前に、保証内容やアフターサービスの詳細を確認することが重要です。
アフター保証が手厚いほうがいいという方は、国内メーカーを選ぶことをおすすめします。
日本・海外のサウナ文化の違いにも注目
家庭用サウナを選ぶ際には、日本と海外のサウナ文化の違いにも注目することが重要です。
特に、フィンランドやエストニアなど北欧産の家庭用サウナが多く販売されていますが、本場フィンランドなどではサウナの利用方法が日本とは大きく異なります。
フィンランドでは、比較的低温のサウナで熱した石に水をかけて蒸気を発生させる「ロウリュ」を行いながら、じっくりと長時間サウナに入るのが一般的です。
この方法は、リラックス効果を高めるとともに、身体に無理なく発汗を促すことができます。
一方、日本では高温で湿度が低いサウナに短時間入るスタイルが人気です。
高温サウナの利用に慣れている日本人にとって、フィンランド式の低温サウナは物足りなく感じることがあります。
したがって、家庭用サウナを選ぶ際には、製品の温度設定や湿度調整機能が日本人のニーズに合っているかを確認することが重要です。
家庭用サウナ設置前に確認すべき法律
家庭用サウナ設置前に確認すべき法律として、
- 建築基準法
- 消防法・火災防止条例
- 都市計画法
- 公衆浴場法(事業用サウナのみ)
建築基準法
建築基準法は、建築物の安全性を確保するための法律です。
自宅にサウナを設置する際、屋内用サウナではサウナが建築基準法を満たしているか確認するための建築確認申請は不要ですが、屋外用サウナではその建築条件や設置場所、規模に応じて申請が必要になる場合があります。
屋外用サウナで以下の条件に合致する場合は、建築確認申請が必要になるケースが多いため注意が必要です。
- 設置場所が防火地域か準防火地域に指定されている場合
- 屋外用サウナの床面積が10㎡以上の場合
建築基準法については、【建築基準法】自宅サウナ設置時に建築確認申請は必要?の記事をご覧ください。
消防法・火災防止条例
消防法および火災防止条例は、火災の発生を防ぎ安全な避難を確保するための法律です。
家庭用サウナを設置する際には、サウナ設備設置基準に従って設置することが求められます。
具体的には、サウナストーブから可燃物までの距離を確保することや、ストーブへの自動停止装置の設置、緊急時の避難経路の確保などが含まれます。
サウナ設置前には、管轄の消防署に確認することが確実です。
消防法については、バレルサウナを建てる前に確認!消防法・火災予防条例とは?の記事が参考になります。
都市計画法
都市計画法は、土地利用や建物の建設に関する計画を定める法律です。
家庭用サウナを設置する場合、この法律に基づいて設置場所の用途地域がサウナ設置に対する制限がないかという点を確認する必要があります。
たとえば、住居専用地域では建物の建築制限があるため、サウナの設置が厳しくなる可能性があります。
都市計画法について深く知りたい方は、家庭用サウナ設置前に用途地域を確認!市街化区域・市街化調整区域にサウナは建てられる?の記事が参考になります。
公衆浴場法(事業用サウナのみ)
公衆浴場法は、公衆浴場の衛生管理や安全性を確保するための法律で、事業用サウナに適用されます。
事業用サウナを営業する際には、この法律に従って適切な管理が求められます。
具体的には、衛生管理や換気設備の設置、避難経路の確保などが含まれます。
また、定期的な検査や報告が義務付けられている場合もあります。
公衆浴場法の詳細は、事業用サウナと公衆浴場法の関係で解説しています。
海外製家庭用サウナおすすめメーカー2選
海外製家庭用サウナおすすめメーカーとして、
- エストニア産のサウナを輸入する「totonoü」
- フィンランドの世界的サウナメーカー「HARVIA」
の2つをご紹介します。
どちらも日本の電圧や規格に対応した日本向けのサウナを販売していますので、安心してご使用いただけます。
totonoü
totonoüは、本場エストニアの北欧サウナを輸入・販売するメーカーです。
屋内用から屋外用、さらにはバレルサウナまで多彩なラインナップを揃えており、どれもシックな洗練されたデザインが特徴です。
エストニアのサウナ文化を取り入れた本格的な製品は、そのデザイン性と機能性の高さで多くの支持を得ています。
特に、芸能人やアスリートとのコラボモデルなど多様な取り組みを行っているのも注目を集める理由でしょう。
totonoüでは1名用~6名用までのサウナを取り揃えていますので、個人用・事業用ともにニーズに合った製品と出会えるでしょう。
北欧のサウナスタイルを重視するtotonoüのサウナは、いずれのモデルでもロウリュが可能で、110℃まで温度が上がる本格派です。
サイズ展開 | 1人用、2~3人用、5~6人用 |
色展開 | 各1種 |
ストーブ温度 | 110℃まで調整可 |
ストーブ価格 | +36万円~ |
ロウリュ | 〇 |
ドア・窓変更オプション | – |
HARVIA
HARVIA(ハルビア)は、創業70年を誇る世界No.1のサウナ&スパブランドで、フィンランドのサウナヒーターメーカーとして世界的に知られています。
家庭用サウナとしては2名用からのラインナップがあり、価格はストーブ込みで1,452,000円からとなっています。
HARVIAのサウナは、多くの国内人気サウナ施設でも採用されており、その品質と信頼性は折り紙付きです。
本格的なサウナを求める方にとって、最適なサウナと言えます。
サイズ展開 | 2人用、3~4人用、4~5人用 |
色展開 | 各1種 |
ストーブ温度 | 110℃まで調整可 |
ストーブ価格 | 料金に含む |
ロウリュ | 〇 |
ドア・窓変更オプション | – |
関連記事:Harvia(ハルビア)のサウナストーブの製品ラインナップや評判まとめ
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